表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/38

第13話 救国の精霊

 次の日の朝、私は鏡台の前で髪を整えていた。


「大変だ、シェイラ!門の前でジョナルド卿が!」


 血相を変えた父が、部屋に飛び込んでくる。

 その様子に、ただならぬものを感じた私は、部屋を飛び出そうとする。


「行ってはならぬ!」


 父が、私を止めようとする。


「どいて!」


 私は、父を押しのけて屋敷の門へ走った。


 門の前の地面には、冷たくなったジョナルド様の体が横たわっていた。

 あきらかに息をしていない。


 服には生々しい銃痕と傷が残っており、血まみれだった。


「いやー!!!!」


 私は泣き叫びながら、ジョナルド様の体に、すがりつく。


「どうして!?どうして、こんな事に!私、私のせい!?私が、会いたいなんて我儘を言ったから…」


 私は、彼を呼んだ事を心底後悔する。

 皆、彼の強さに、どこか甘えていたのだ。

 どんなに強くても、彼は無敵ではなかった。

 まさか、私より若い彼が、こんなに早く逝ってしまうなんて。


「シェイラ…」


 後を折ってきた両親は、そんな私を見て、掛ける言葉が無い。


「神様!私の中の力よ!私は、どうなっても構わない。彼を助けて!私の全てを捧げます」


 私は、そう祈った。

 下腹部の封印の魔法陣が、青く光り出す。


「駄目だシェイラ!今、制御出来ない魔力を使えば死んでしまう!」


 父が、そう叫ぶ。

 しかし、私は止めるつもりはなかった。


 大量の水が出現し、巨大な水球となって、私とジョナルド様を包み込んだ。


「シェイラ―!!」


 両親が叫んだが、もう私達の姿は、外から見えなくなっていた。




「まったく…。この力は、こんな事の為にあるのではないのよ」


 水球の中の暗い空間。

 ジョナルド様を挟んで、私と私そっくりの銀髪の女性が向かい合って空中に浮いていた。


「あなたは、一体誰なの?私は、二重人格なのかしら」


 私は、彼女にそう言った。


「いいえ。私は救国の精霊。精霊魔法使いの家系のあなたに宿ったの。いつか、この国の危機を救う為に」


 彼女は、そう言った。


「そう…。でも、今は彼を助けて!そんな凄い精霊なら出来るでしょう?」


 私は、彼女に頼んだ。


「まだ彼の魂は体から離れていない。今なら出来ない事は無い。しかし、私の力は、あくまでお前の魔力で発動する。今、そんな魔力は、残っていないだろう。やるとなれば、命を削るぞ?」


 彼女は、私の命を要求する。


「構わないわ。もう、彼のいない人生は考えられないの!」


 私は、そう叫んだ。


「そんな事をすれば、いずれ国を救わねばならない時の力を前借りする事になる。その時になって後悔しても遅いのだぞ?」


 彼女が、そう言った。


「そんなの関係ない!彼のいない未来なんて欲しくないわ!彼が死ぬなら、私も今ここで死ぬ!」


 私は、彼女の言葉を拒否した。


「私は、お前がいないと存在出来ない。仕方ない、お前の願いを聞き入れよう」



 彼女が天に向かって手を差し伸べると、上から大量の光輝く水が降ってきて、私達を包み込んだ。




「…」


 気がつくと私は、門の前で、力強いジョナルド様の腕の中で抱き抱えられていた。


「ありがとうシェイラ。君の声は、ずっと聞こえていた」


 彼が、私の顔を覗き込んで言った。


「あなたの為なら、私は、命でも未来でも捧げます。ずっと側にいて下さい」


 私は、彼に頼んだ。


「分かった。もう離しはしない」


 彼は、そう約束してくれた。


「奇跡だわ…」


 それを見ていた母が、泣きながら、そう呟いた。




 その日のうちに、私とジョナルド様は、教会で簡単な婚儀を執り行った。

 正式な婚儀は、後日行う事になる。


 ライオット城から迎えの騎士を呼び、私は城に居を移した。

 明日から、私とジョナルド様の生活が始まる。

よろしければ、ブックマーク、評価お願いいたします。

更新の励みになります。


こちらもよろしく!

【完結】公爵に婚約破棄されたのですが、超嫌いなのに溺愛してくる美形ストーカー王子と幸せになれますか?

https://ncode.syosetu.com/n7950ig/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ