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第42話 大日本帝国海軍の祖

たいっへん!遅くなりまして申し訳ありません!

ミッドウェーでの戦闘を終えた迎撃艦隊は各母港を目指し伊豆諸島より東に150kmを航行していた。

すると・・・。


「前方に艦影2つ。一つは伊600ですが、もう一方はどの海軍艦艇とも照合できません」

CICにいた水兵が言った。一介の兵士である彼が知らないのも無理も無い。


日本海軍 横須賀第1艦隊所属 試作光線兵器搭載型戦艦『三笠』


 排水量 85,000t

  全長 320m

  全幅 42.5m

  主機 新型FN粒子熱核融合炉3基(補助・非常用:艦船搭載型核融合炉5基)

最大速力 45ノット

  武装 60口径52cm3連装荷電粒子光線砲3基9門(前:2基、後:1基)

     60口径15.5cm3連装荷電粒子光線砲2基6門(前後:各1基ずつ、左右:各2基ずつ)

     52口径12.7cm連装荷電粒子光線砲16基32門(左右:8基ずつ)

     60口径25mm3連装荷電粒子光線機銃46基138門(左右:23基ずつ)

     90式対艦誘導弾4連装発射筒6基(左右:3基ずつ)

     18式垂直発射装置100セル(前:50セル、後:50セル)

     3連装短魚雷発射管4基(左右:2基ずつ)

   C4I 天照システム

レーダー 18式射撃指揮装置5型4面2基(前部艦橋、後部艦橋)

ソーナー OQQ-24統合ソナーシステム


艦名は見ての通り、日本海海戦でおなじみ敷島型戦艦四番艦三笠より受け継いだものだ。

艦名と共に、艦魂も引き継いでいる。

新型FN粒子熱核融合炉が予定よりも大型になり、それにともなり艦体も大型化した。どうせなら幻の超大和型戦艦を再現しようとゆうことでかしこに被るところがみられる。

そしてこの艦の名前にもなっているが、最大の特徴がその武装である。誘導弾・魚雷を除き艦砲が全てビームを発射できる。富士の『AchtdesAnnulus(アハト・デス・アヌルス)』で得たビーム技術を応用し主機である熱核融合炉の開発に成功。これはFn粒子を核反応で三重水素と融合する際のエネルギーを利用した主機だ。この時、核融合で生成されるのがFn162(フェミニウム162)である。元の粒子はFn144で『AchtdesAnnulus(アハト・デス・アヌルス)』で生成されるものとは違う為、ビームの色が異なる。(富士の方は金色、三笠は青白)この主機は性質上不安定なので機関区画は幾重にも防御策が講じられている。口径の違いは単に威力の違いである。だが現代の主力艦艇には副砲でもある程度の被害を与えられる。航空機及びミサイルに対しては60口径15.5cm3連装荷電粒子光線砲以下の艦砲が用いられる。三笠には他の戦艦、他国艦艇に積まれている高性能20mm機関砲が搭載されていない。まぁ、この機銃の数を見れば納得だが。この艦中央部に殆どが密集している機銃群を全て自動制御、艦魂による制御も可能というから驚きだ。

それに加え、全ての艦砲は実弾も発射できる。かなりの新技術、新兵装、を搭載した秘密兵器だ。



なんだ、何だとCICが騒いでいると、艦橋から三笠を見た拓也がCICに来た。

「あれは見方だ」

「・・あんなもの見たことがありませんが・・・」

「そりゃ当然だ。極秘中の極秘だったからな。名前は”三笠”だ」

CICが静まり返る。

「三笠・・・ってあの最初に動いた・・・?でももっと小さく・・・・」

「当然三笠にも艦魂がいてな。自分だけ本国で指を咥えてみていることに我慢できなくなったそうだ。そして、建造初期だったあの戦艦を三笠としたんだ。最初は紀伊として計画は発足したがな」

それについで米別動艦隊を滅多打ちにした謎の物体が三笠ということを聞いたCICは大いに盛り上がった。

「両舷微速。艦魂同士の為に時間をとる。各自、羽を伸ばしておけ。丘に上がったら急がしいぞ~!」

そう言い、伊600、戦艦三笠、迎撃艦隊が伊豆沖に集結した。

空母に移り甲板で100mを競争するもの、戦艦や艦艇の甲板でジョギングをして一汗流すもの、釣りをしながら世間話に花を咲かせる者、タグボートを下ろし泳ぐものなど、各々の過ごし方で短い休息を満喫していた。

一方艦魂はというと。戦艦三笠に集まっていた。


「ひさしぶりねー!」

各艦から移動して集まりつつ艦魂を見て三笠が手をブンブン振りながら52cm砲の砲身の上を歩いてくる。端まで来るとぴょんと飛び一回転して綺麗に着地を決める。体操選手のようだ。見た目は30代ぐらいだろうか、黒の長髪を後ろで結っている。なんかOLっぽeー・・・・スイマセン三笠さん。痛い痛いッ!!


「ん?なんかいましたか?」

長門が一番乗り。皆、三笠には敬語である。

「いえ、なにもいませんよ。・・・すいません!!」

いきなりのことで皆目が点だ。

「か、顔を上げて?三笠さん」

陸奥が顔を上げるよう促す。

「いや、ね?みんなが海に出て戦ってるって言うのに・・自分だけ・・」

下を向いて必死で涙をこらえる。手で拭わない涙は戦艦三笠の甲板に落ちる。

それを見た艦魂一同は顔を合わせ、ウンと頷いた。すると長門が。

「敷島型戦艦四番艦!戦艦三笠!もとい日本海軍!横須賀第1艦隊所属!試作光線兵器搭載型戦艦『三笠』!貴艦を日本海軍連合艦隊旗艦に再度任命する!・・・三笠さん、前世ではお世話になりました。この時代の人が我々の守った土台の上に今を築いたように、三笠さんの築いた時代に前世の私達はいました。もう一度!もう1度だけ力を貸してくれませんか」

しばしの沈黙・・・・・・。

「あ・・ありがとぉうぅぅあぁぁぁ!」

目を真っ赤にした顔をあげ長門の胸に飛び込んだ。よっぽどつらかったのだろう。長門が服で涙を拭ってやると。

「私頑張るから!いろいろ聞いてる!レーザーとかも!」

なぜか所々言葉が子供っぽく?なる。言うなれば酒飲みの残念系OLかn・・・いったい!痛いッ!!耳!!

「私が決める!」

ここで目の色が変わる。

「散々やってくれたようですものね。アメリカ・・・。ぶっっっっ潰すぞぉぉぉ!!」

天に拳を突き上げ、艦艇の拡声器をフルに使っておもっきり叫んだ。今までの会話を聞いていない水兵は何がなんだか分からないが、うおぉぉぉ!と雄叫びを上げていた。



場所は移って中央作戦司令部。


「独露戦の戦況は」

ミッドウェーの緊張から解かれた香川は同盟国であるドイツの様子を窺った。

「ドイツは快進撃を続けています。現在モスクワを落とし、ロシアは司令部をシベリア連邦管区にまで後退させました」

「ドイツめ、モスクワを落としたかいよいよ向こうも大詰めだな。・・・にしても途中に主要都市がないとしても一気にシベリア連邦管区まで下げるのは不自然じゃないか?」

「そこはロシアなりの考えがあるのではないでしょうか」

司令部職員が控えめに持論を述べる。


うーむ、と唸っていると航空宇宙防衛作戦室から召集がかかった


航空宇宙防衛作戦室に着くとドアのそばで一人の職員が待ったいた。

「待たしてすまない」

香川がわびると、いえいえとんでもございません。とえらく低姿勢だ。ぽつぽつと説明を始める。

「今しがたですね、十勝戦略空軍基地の千島・樺太方面の早期警戒機と天照によってTu-160に離陸が確認されまして」

ここで疑問が生まれる。

「それだけか?戦時下に戦略爆撃機が出撃するぐらい当然だろう、我々も富嶽を飛ばしているしな。それだけか?」

「い、いえいえ!!爆撃機の出撃が問題のなのではなくてですね」

緊張か、焦りか。原因は分からないがさっきからハンカチで汗を拭いまくっている。Yシャツは首元からグッショリ濡れている。

「搭載されている兵器が問題でですね」

しどろもどろの説明を聞いているうちに1台のモニターの前に立たされた。そこに書かれていた文字は、






                               -AN602ー









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