第34話 小説はサブスクリプションだ!
こんにちは、雨宮 徹です。本作では、一般的な創作論を書きつつも、私のオリジナルを混ぜて唯一無二の創作論集を目指します。第三十四回は「小説とサブスクリプションについて」です。今回はWeb小説を書く方を読者に想定しています。
■小説はサブスクリプション
今の時代、サブスクリプション(以下、サブスク)が当たり前になっています。例えば音楽ならば、CDを買うのではなくサブスクで聴く。スマホのゲームで有利になるアイテムをゲットするためにサブスクに入る。サブスクに加入する理由としては、「独自性がある」からです。サブスクでしか聴けない音楽を提供することで集客しています。これは、小説投稿にも当てはまります。
では、Web小説投稿での「独自性」とは何か。一つは「○○(小説サイト)オンリー」でしょう。一つのサイトでしか読めないのなら、先ほどの音楽のように「ここでしか読めない」という独自性を利用して集客を目指しています。ただ、これにはメリットとデメリットがあります。
まず、メリットから。一つのサイトだけで投稿することで、読者の分散を避けられます。しかし、複数サイトで投稿していると、読者が「いつものサイトで読めるから、○○に登録しなくてもいいか」という心理になります。読者が分散すると、サイト内での閲覧数が相対的に減り「○○PV達成!」というアピールをする機会が少なくなります。また、デメリットは、多くの人に読んでもらえないことです。自作をより多くの人に届ける機会が減ります。
サブスクの特徴は、魅力的なコンテンツを発信し続けなければ、解約されることです。これを小説に当てはめるなら、独自性があってもマンネリ化すると解約、つまり読者が離脱することです。では、どうすれば離脱されないか。一つの方法としては「人気キャラのスピンオフを書く」でしょう。スピンオフでしか読めない要素を含めることで、「独自性」を出しマンネリ化を防げます。
■前日譚とスピンオフのメリット
大抵の小説は本編が完結すると、読者が徐々に減り、いつしか読まれなくなります。これは面白くないからではありません。新規投稿がなくなり、新着欄などに載らないからです。では、いかにして半年後、一年後も継続的に読まれるか。それは、「スピンオフ、前日譚を使って深掘りしつつも埋もれない」という方法です。
小説では主人公がいて、その周りを仲間たちが囲んでいます。本編ではもちろん主人公目線で話が進みます。ですから、仲間たちがどのように主人公を支えているかは描写が少ないです。せっかくサブキャラクターがいても、主人公目線だけでは物語に深みがないです。
そこで登場するのがスピンオフと前日譚です。スピンオフについては、サブキャラクター目線で書けばいいということはお分かりかと思います。ただ、それだけではなく小説の中に出てこない人物、いわゆるモブキャラクターからの目線を取り入れるのも一つの手です。この手法のメリットは、世界観を深掘りできることです。こちらは外伝という呼び方になります。スピンオフと混同しがちですので、気をつけましょう。
次に前日譚。主人公が目標に向かって進んでいくには、何かしらの理由があってこそ。基本的に第一話でそれが語られます。一方、例えば歴史小説なら何かしらの事件があり、それに伴って主人公に動機が発生します。この事件について書くのが前日譚の一つの内容です。
では、これらをどう繋ぎ合わせるか。基本的には本編→前日譚→スピンオフの順番を推奨します。前日譚は一種の世界観の前提です。これなくしてスピンオフを書いてしまうと、深掘りするという目的が達成できません。
ここまでの書き方だと、前日譚は必須と思われるかもしれませんが、なくても構いません。最終的な目標は世界観の深掘りだからです。異世界ファンタジーは、第一話で転生するのがパターンです。ですから、前日譚を書くことは難しいです。これが異世界ファンタジーのボトルネックでしょう。前日譚とスピンオフについて、書くことを検討してみてはいかがでしょうか。
■備考欄:「雨宮 徹」に前日譚もスピンオフもない。あるのは「本編」だけ。つまり、「雨宮 徹」の完結はサブスクの解除を意味する。創作論を書いて読者をつなぎとめなくては。




