異能力図鑑
《もくじ》
・怪原一家の異能力
・英雄たちの異能力
【怪原一家の異能力】
・蛇媓眼
保有者:怪原理里
効果範囲:光の届く範囲
石化の光を放つ能力。ただし、力の弱い理里は体力を大幅に消費し、使用後は数日間の昏睡状態に陥る。
この光を照射された有機物はたちまちにして石化し、生物であれば生命活動が停止して死亡する。
出力を上げることで、相手を石化させるのみならず風化までもやってのける。が、その分体力の消耗は大きくなる。
・菫青晶の舞付師
保有者:怪原珠飛亜
効果範囲:半径15m
水を自在に操ることができる能力。純粋な液体のH₂Oだけでなく、氷や水蒸気を液体に変化させたり、水溶液中の水を操ることもできる。しかしあくまで液体の状態でなければならず、氷や水蒸気をそのままの状態で操ることはできない。また、生物の体の構成要素としての水分は操ることができない。(自分を除く)
曽祖父・ポセイドンの権能に由来すると思われる。
「汛瀑螺旋葬」
超高速の水の渦の内部に相手を捕え、肉体を粉砕する必殺技。
「無限大瀧撃陣」
大質量の水により、「∞」の形をした激流を作り出す。
「漲水巨弾球」
効果範囲内直径30mを水で満たし、大質量の水球を相手にぶつける。
「厚水汰溺壁」
巨大な水の壁をつくる。
・楽園の王
保有者:怪原希瑠
効果範囲:5m
半径5メートル圏内に「ルール」をひとつだけ設定できる能力。
このルールを希瑠は「欽定法」または「欽定憲法」とよび、自らをその空間内の「王」と称している。
「この空間内に入った者は死ぬ」など、抽象的なルールは設定したとしても効果を発揮しない。また、無から有を生み出すことはできない。そのため基本的には物理法則の改変を行う(例えば、「重力が倍になる」「摩擦力をなくす」といったもの)。防御性能では怪原家で一、二を争うが、効果範囲が狭いため、接近戦を余儀なくされる。
「法」の規模が大きくなるほど、希瑠の体力消費は大きくなる。また二つ以上の事象をひとつのルールで定めることも可能だが、体力消費は定める内容の数に比例して増える。
「重力倍加」
効果範囲内の重力を2倍にする。
「重力反転」
希瑠を中心に、効果範囲内の重力の方向を外向きにする。中心となる領域を指定できるため、自身がこの重力の影響を受けることはない。
「摩擦無効」
効果範囲内の摩擦をゼロにする。
「重力変向倍加」
重力の向きを変え、なおかつ倍加させる。2つの事象をひとつの法で定める「合体技」のため、体力消費が大きい。
・穢れた世に生まれ堕ちた嬰児の奏でる旋律は、仄暗い概念と確かな唯物論を覆す
保有者:怪原吹羅
効果範囲:自身、及び自身が触れたもの、触れているもの
不死の能力。さらに、触れた異能を無効化することができる。その二つの性質を両立させている『ひとつの能力』。
常時発動しているタイプの異能力。相手の身体に触れることで異能力の発動を無効化するほか、自身に向けられる異能力の攻撃は一切彼女には通用しない。たとえば珠飛亜の能力で、水を操って攻撃した場合、その水は吹羅の身体に触れた時点で珠飛亜のコントロールを失い、重力に従ってその場に落ちる。理里の邪眼の光を浴びせても、「体が石になる」という効果が無効化され、何の影響も受けない。希瑠の結界については、吹羅が結界に触れた時点で結界が霧散する。
また不死については、肉体が再生不能なほど細切れにされたとしても死なないというが……その詳細は今後明らかになることだろう。
なぜ一つの能力が二つの性質を持つのか? 肉体を失っても死なないとはどういうことなのか? なぜこんなに能力名が長いのか? いまだ謎多き異能である。
・暗神の瞳
保有者:怪原恵奈
効果範囲:自分の視界すべて
未来視の眼。自分の現在の視界内で5秒先までに起こる「可能性が最も高い」できごとを、自分の網膜に投影できる能力。
未来の像は、現在自分が見ている景色に薄い影のように重なって映る。
この眼を発動しつづけることで、相手の動きを完全に予測することも可能である。たとえば、相手が5秒後に右側に移動するとして、それを見た保有者がナイフを投げる。相手はその動作を見て、右側ではなく左側に移動するとする。この時点で、最初に見た「5秒後」の未来は変わってしまったわけだが、暗神の瞳はそれに適応し、変化後の未来に自動的にシフトした像を保有者に見せる。
能力名の由来は、クトゥルフ神話の予言神・暗きハン。また、黄色い瞳を宝石のトパーズに見立てている。
この他にも、恵奈は子どもたちの能力名をいくつか命名している。
・黒燄煉劫儛
保有者:怪原恵奈
効果範囲:無限
恵奈の第二の能力。ランダムなひとつの対象に関する自身の記憶を全て消滅させ(たとえば「犬」が選択された場合、犬に関する記憶すべてを失う)、そのエネルギーから「黒い炎」を生み出し纏う。
炎は触れたものを燃やし尽くすまで消えない。また、もとは「記憶」という魂の一部であるため、恵奈自身は触れてもダメージがない。恵奈はこの炎を自在に操れるわけではなく、決まった7つの形状に変化させることしかできない。
彼女は詠唱によってこの能力を封印している。
「熾るは、わが怒り
焼べるは、わが決意
燃ゆるは、わが魂
我、此処に宣う。
其は、己が為にあらじ。
其は、人が為にあらじ。
其は、神が為にあらじ。
我が服膺の欠片を喰らい、燃え盛れーー
"黒燄煉劫儛"」
「滅龍轟哮」
黒炎の第1形態。鎧。
「蛇龍蠢動」
黒炎の第4形態。8匹の大蛇。
【英雄たちの異能力】
・蠭天大権
保有者:有村大河
効果範囲:半径5km圏内
効果範囲内の蜂の精神を支配し、意のままに操ることができる能力。数の制限はないが、増えるほど体力的&精神的負担は大きくなる。
操っている蜂と感覚を共有することも可能。
アリスタイオスは半神であるため、この能力は厳密に言うと「権能」であり、異能力による無効化を受け付けない。
・疾風が如く
保有者:田崎蘭子
効果範囲:本人のみ
超高速移動を可能にする異能力。魂のエネルギーを肉体から放出することで、爆発的な加速を得る。最大速度はマッハ2。
加速で生じる衝撃波や肉体へのダメージに関しては、本人の耐久値が問われる。そのため、普段から身体を鍛えておかなければ、自分のスピードで死に至る危険がある。
また、自分が速くなったからといって、動体視力がそのスピードに自動的に合うなどという都合の良いことも無い。これも鍛錬しなければ身に付くものではない。
なお、蘭子はこれらすべてのデメリットをたゆまぬ鍛錬によって打ち消した。
・獅子化
保有者:田崎蘭子
効果範囲:本人のみ
前世において、ゼウスの聖域で夫と交わった天罰により、ライオンに変えられてしまったアタランテ。その後彼女は、同じく罰を受けた夫とともに、太陽神アポロンの戦車を牽いていたが……テュフォーン襲来の折に彼らは罰を解かれ、人間の姿に戻された。
しかしながらアタランテは、獅子の力を己の中に残してほしいと懇願。結果、前世では得られなかった人ならざる領域の力を得た。
この能力は、「魂の力によって世界に影響を及ぼす」異能力とは違い、自身の中に眠る獅子としての姿を呼び起こすものである。そのため、異能力ではなく、吹羅の能力で無効化することができない。
使用した場合、肉体が変化するほか、身体能力が通常時の4倍に引き上がる。無論、異能力による最高速度も引き上げられ、マッハ8となる。
また、心なしか動きが動物っぽくなる……ような気もする。
・空気の支配者
保有者:卜部籠愛
効果範囲:半径2m
空気の動きを自在に操れる能力。
思いのままに風を吹かせられるのはもちろん、圧縮・収束などなんでもござれ。空気分子を振動させ熱を発生させたりもできる。
その高すぎる自由度ゆえか、効果範囲が極端に狭い。
「上昇気流」
上昇気流を吹かせる。このほかにも自在に気流を操ることで飛行が可能。
「圧縮」
空気を圧縮する。熱を発生させたり、光の屈折率を強めたりできる。
「圧縮空気弾」
圧縮した空気を砲弾のように発射する。威力は絶大。
「空気布団」
おだやかな上昇気流により、落下をゆるやかにする。
「風刃領域」
極細に収束した衝撃波(風の刃)を効果範囲の外側ギリギリに発生させる。飛び道具を跳ね返し、触れるものすべてを切り刻む攻防一体の結界。
・大気の支配者
保有者:卜部籠愛
効果範囲:半径100m
何らかの理由により"空気の支配者"の効果範囲が拡張してしまった状態。
「静寂領域」
領域内の一部の空気を消し去る。空気のない空間には音が伝わらない。標的たる敵の心臓の鼓動さえ、いずれ停止するだろう。(進化前にも使えた技だが、効果範囲拡張により使い勝手がよくなった)
「嵐刃領域」
範囲が拡張し、さらに強力になった「風刃領域」。
「凪の盾」
領域内のすべての空気を自分の前面に圧縮させ、盾とする。理里の邪眼の光をねじ曲げるほど強力。
・白銀の手
保有者:引田万里夫
効果範囲:半径8m
万里夫の両手に現れる具現化型の能力。
銀色の手袋から伸びた糸によって攻撃する。又、それを人型のものに掛けると、自在に操る事が出来る。
・蜘蛛の糸
保有者:往魔 麗華
効果範囲:麗華の視界内
衣服を別の衣服に変化させる。又、その服を「恥ずかしい」と感じた人間を洗脳してしまう。
一度洗脳を受けた人間は、例え麗華を殺害しても元には戻らない。又、麗華が能力を解除すれば元に戻る訳でもない。長期間の心理療法により、洗脳を解く以外にない。