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第26話「謎」




「何があるかわかりません、皆さん、バラバラにならないように動きましょう」



ソウルがその場にいる全員に注意を促す。





トージの町は静まり返っている。聞こえるのはサーファーが好みそうな波の発する音だけだ。





いつもはトージの住宅村と行き来するNPCの小舟が海の桟橋に括り付けられているのだが、今日はその面影はなかった。


ソウル達はその場でフレンドを交換して現在地がわかるようにした。


何かあっても場所が特定出来れば、この異様なトージの謎を解決する糸口になるかもしれない。





ドワーフの男性はのりたけさん、マーマンの女性はグレーテルさん、キャットシーの男性はまるまるさんだ。



早速行動を開始した。



まずは市街地の探索だ。


貝殻が壁に埋め込まれた不思議な建物の形式で、屋根には人魚のような巨大なウロコが瓦として並んでいる。



「家を南端から確認していきます」


ソウル達は町の南側から探索を開始した。


海と桟橋、更衣室は東側、西側は建物とフィールドへの道がある。


駅馬車は南側だ。

北側へ行くと西側とは違うフィールドに出る。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「開けますよ」


一軒目を開けるとそこには誰もいなかった。



「次」


何かあっても良いように皆武器を構える。


ガチャッ。







ガチャッガチャッ。





「鍵がかかっている…?」






のりたけさんがマッピングで鍵がかかった家の場所をマークする。


開ける手段が無いので今は後回しだ。


次の家は風見鶏がついた家だ。


こちらも空っぽだ。


家具は一切乱れていない。


生活感すらなかった。



残りは5件だ。



そのあと風見鶏がついた家が2件、普通の民家を3件を巡ったが、どれも空っぽだった。




「鍵のかかった民家を開けてみましょう」





ドワーフの男性のりたけさんが、焦ったように鍵のかかったドアへ駆け寄る。











キィッ。











「……さっき、鍵かかってたのってここですよね」









マーマンの女性グレーテルが訝しげに口を開く。


中はもぬけの殻だ。


ベッドのシーツや絨毯など、ヨレたり傾いてたりしているのがわかる。





キャットシーの男性まるまるさんが匂いを嗅いでいる。


「さっきまでここに誰かいたみたいですよ」


嗅覚が強化されているのか、まるまるさんは匂いを感知していた。




そのまま匂いを辿り始める。







「すれ違いか、はたまた俺たちを避けたか」


強い風が吹いて風見鶏の金具が軋む音がする。


ふと海を見ると、波が引潮になっているのか穏やかになっていた。


まるまるさんは海に向かっているようだ。










俺たちが桟橋さんばしの近くに来た瞬間、桟橋から水の跳ねる音がした。








木枠に波が当たっている音かと思ったが少し違和感がある。


バシャバシャという水音が大きくなり、全員が警戒の体制をとる。


しかしバシャバシャという音は桟橋から動かない。





音が段々静かになる。






次の瞬間桟橋の下からかなりの水が飛んだ。



「っまさか!」


ソウルはザブザブと海に入って行く。




桟橋の下を覗くと、猿轡をされたプレイヤー達がいた。






全員手足を縛られており、その体はプレイヤー同士を繋ぐ縄によって、桟橋の木枠に括り付けられている。





頭や足を使ってもがいていた。


「皆さん!手伝って下さい!!」



モンスターの襲撃なんかじゃない。


これは、人の手によって行われたのだ。






「っヘンゼル!」





グレーテルさんが男性のマーマンの名前を呼ぶ。


彼女の探し人はここにいたようだ。






「トモエ!トモエはいるか!」





のりたけさんが縄を解きながら探し人を求めるが、ここにはいなかったようだ。


落ち込むのりたけさん。



「のりたけさん、トモエさんという方は女性ですか?」


「……私の妻なんです」






救助されたプレイヤーは20人全員が男であった。





嫌な予感が当たってしまったようだ。





早く、見つけなければ。





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