最終話 夢
世界から魔王と聖女が消えた。
それを感じ取ったのは聖女の妹であるセフィリアだった。
そこでセフィリアは一つのことを思い出した。姉が自分が消えた後に開けろと言っていた封筒があることに。
開けてみるとそこには手紙と一緒にセリーナがいつも付けていた腕輪が入っていた。これは、過去にベイシスからセリーナに送られた物だった。
手紙に書かれていたのは、自分が初めから死ぬつもりだったこと。自分が何をするつもりなのか。世界を導いてほしい。フェンリルを頼む。等、自分勝手なことが書かれていた。
「全く。お姉さまはやっぱり自分勝手です。少しは相談してくれてもいいじゃないですか……」
小さく呟く。姉に全てを背負わせることになってしまった自分を攻めたいが、彼女に自分を責めることなどできない。自分がここを離れられない以上は姉に頼るしかなかったのだから、自分を責めるだけ無駄であることなど重々承知なのだ。
それに同封されていた腕輪は姉が消える自分の代わりにと託したものだ。自分がやるべき事等は理解できているのだ。
「分りましたよ、お姉さま。私は世界を導きます」
こうして、世界を見守る女神が生まれたのだった。
+++ † +++
夢を見た。遠い過去の夢。
私が世界の女神として生きるようになって早数千年が経った。
お姉さまは世界の負の歴史を自分と共に全て消し去った。だから、今では私以外にこの世界の過去を知っているモノはいない。
世界は事もなく平和で、アレ以来、小さな小競り合い程度の戦争は起きても魔王などが出てくるようなこともない。
こんな平和でいいのかと正直疑ってしまう。それに姉が残した意思はちゃんと芽吹いている。
各地では、多くの冒険者が活躍し、世界にあだなす魔物を狩り、世界に平和をもたらしている。
各大陸間では交流が持たれ、流通する物は各地の名産として取引されている。
お姉様。あなたの護ろうとしたものはちゃんとありますよ。世界は平和に進んでいます。
一応、これですべての話が終了になります。
今までご愛読ありがとうございました。




