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翼を失った竜と血塗られた聖女  作者: 小鳥遊輝
第三章 闘技大会編
33/69

第捌話 本戦準決勝第一試合

『本選もついに準決勝。残っているのはSランク2~4位とまさかのランク外選手!

 さあ、今回も行きましょう!』







 +++ † +++







 準決勝第一試合。


 ルーキス・M・アインスフィア(Sランク2位)VSミア・シア・カシミア(Sランク3位)


『さあ、始まります準決勝第一試合。対戦は入学当初から頭角を見せ前年度には既に今のランクにたどり着いていた二人、Sランク2位のルーキス・M・アインスフィア3年生とSランク3位のミア・シア・カシミア3年生です。

 一回戦から三回戦まで共にその実力は完全には発揮されておりません。この戦いではどのような勝負を見せてくれるのでしょうか!

 では、戦闘開始まであと数分。皆様、ご期待してお待ちください』


「はは、そんなに注目されるとやりづらいんだけどね」


「そうね。でも、一言いいかしら?」


「ん?なんだい?」


「今日は負けないわ。今日こそ勝ってみせる」


「そうか。なら、俺も負けられないな。いい勝負をしようか」


「ええ。手加減とかしたら容赦しないわよ」


「それはお互い様だよ。おっと、時間みたいだな」


『それでは、始まります。

 レディー、ファイ!』


 戦闘が始まった。


 まずはミアが古代魔法【剣舞(ブレイドダンス)】を発動。ほぼ同時にルークが剣精霊ヴァルアを召喚。ミアは瞬時に槍を数本飛ばすが剣によって弾かれた。


 次に動いたのはルーク。ヴァルアに指令を出し、ミアを追撃すると同時に楯精霊セフィールを召喚。防御を固めつつ、剣精霊での攻撃を実行する。だが、ミアも負けてはいない。ヴァルアの攻撃を完璧に捌き攻撃を与えつつ、ルークへの追撃をする。


 攻撃を与えつつも、耐えきれなくなったヴァルアは後退しルークのもとへと戻ると、ミアはそのまま追撃。ルークは戻ってきたヴァルアを武装形態にし、剣を手に取る。すでにセフィールも武装形態である楯の状態になっている。そこへと攻撃を加えるミアだが、ルークは飛んできた槍を軽く剣で振り払う。振り払った勢いのまま突っ込んでくるミアに袈裟切りで剣戟を加える。大ぶりなそれを受けるミアだが、あまりの威力に後退を余儀なくされ仕方なく下がり、膠着する。


「やっぱり、堅いし一撃が重いわね」


「そう言うミアこそ、その速さは一体なんだい?少しでも気を抜いたらやられそうだ」


「ふふ、大会が終わるまで秘密よ。槍よ踊りなさい!」


 再び槍が舞い踊る。ありとあらゆる方向からミアの槍がルークに攻撃を仕掛ける。ルークは剣と楯を使い飛んでくる槍を防ぐ。防ぎながらルークは土精霊ドリアードを呼び出す。


「ドリアード!クエイク!」


『分ったわ』


 ミアのいるあたりの地面が砕け割れる。ミアは慌てて、空中に逃げるがそこへさらにルークは追撃をかける。


「ヴォルト!サンダーボルト!」


『おう!』


 ミアへと雷が(ほとばし)る。ミアはそれを見て瞬時に槍に命令を出す。


「足場に!」


 その命令に従いミアのもとにあった二本の槍を足場にその場から脱出。雷は槍に当たり、槍は黒く焼け焦げ使い物にならなくなる。ミアの槍は後10本。再び、手元に二本を呼び寄せ、残りの八本も一度自分のもとに呼び寄せる。


 その間にルークは氷精霊フロストを呼び出す。


「フロスト!フリーズ!」


『了解』


 瞬間、ミアの足元が凍りつき始める。ミアは、すぐさま退避し、数本の槍を飛ばす。当然防がれるがそれを見越し、ミアは魔法を発動していた。


「【噴き出すは炎。応ずるは暗黒。すべてを飲み込み燃える黒炎よ。その全てを飲み込みて彼の身を焼け。全てを喰らいて我が敵を討て】!!ゲヘナブレイズ!!」


 ミアのもう一つの切り札融合魔法。二つ以上の属性を持たせた魔法の発動は本来出来ないのだが、それを発動の段階から組むことで発動可能としたのだ。


 ゲヘナブレイズは炎と闇の力を組み合わせた魔法。能力は発動段階で込められた魔力が尽きるまで焼き尽くす魔の炎を発生させること。制御により自身へのダメージは消せるが、制御自体が難しい為簡単には消すことはできない。作った本人であるミアですら使うのを躊躇うほどだが、今回の場合は相手の攻撃を限定させられるうえに魔法すらも燃やしてしまうため聖霊の使う魔法を抑えるためにはベストな選択と言える。つまり、ミアは接近戦を挑むために魔法を封じたのだ。


 だが、ミアは公式な場としては初めて融合魔法を使った。融合魔法自体の構想は昔からできていたのだが、それを確実なものとしたのはセリーナがいたからこそなのだ。それを知らないルークはすぐさま黒い炎を消すために水精霊ウンディーネを呼び出す。


「ウンディーネ!ハザードウォーター!」


『うん!』


 すぐさま大量の水が降り注がれる。だが、降り注いだはずの水は逆に炎の勢いを強くしただけで終わる。ゲヘナブレイズの黒い炎は魔法を喰らうとその魔力を吸い勢いを増すのだ。その為、炎は勢いを増し精霊すらも燃やしにかかる。それを感ずいたのかウンディーネやほかの召喚されていた精霊達は自分から消えていった。残ったのは、武装化してるヴァルアとセフィールのみだった。


『ルーク気を付けなさい。あの黒い炎は何かおかしいわ』


『うん。あの炎には絶対に触れないで』


「分った!」


 ルークは黒い炎がない空間へと走る。そこにミアの槍が飛んできた。


「くっ!」


 かろうじて防ぐルーク。ミアはすぐさまルークに追撃をかける。ルークは飛んできた槍を黒い炎の方へとはじき出す。その為、槍は炎の中へと消えていく出てくることはなかった。飛んできた槍をすべて弾き、炎の中に放り込み、飛んできた方を見据えると、ミアは槍を二本持ち接近戦を挑もうと走ってきていた。


「ミア!この炎はなんだ!」


「今、言わなきゃならないかしら?」


 そう言い、接近戦が始まる。


 二槍と剣と楯の勝負。ミアは槍の連撃を仕掛け、ルークは楯で防ぎつつ剣で確実に攻撃する。黒い炎は絶えず燃え続けるため、魔法戦が繰り広げられることはない。しかし、二人の接近戦は魔法戦にも劣らないほどに過激に行われた。


 ミアが槍で突けば、ルークがすかさず剣で弾く。弾かれたと同時に槍を薙ぐように振れば、それを防ぐように楯が配置されすぐさま剣が迫ってくる。それを体を反らし避け、再び槍で薙ぐ。薙がれた槍を剣で防ぐと楯で突撃をかける。それを槍をクロスさせ防ぐと再び攻撃を繰り出す。


 まさに熾烈を極めた戦いが繰り広げられた。そんな接戦が一時間も続いたが炎は消えず燃え続ける(実はミアが魔力を流し込んでいた)。そして、決着の時が訪れた。


 ミアが槍を薙ぐが体制を崩し、その隙を狙いルークが槍をはじき出す。残り一本となった槍で応戦するミアだったが、ルークは楯で槍を弾き、剣を喉元に突きつけた。


「参ったわ」


『決まったーーーーーーーーーーー!勝者、ルーキス・M・アインスフィア3年生!素晴らしい戦いをしてくれた両名に盛大な拍手を』


 盛大な拍手が二人に送られる。


『ところでミア・シア・カシミア3年生。この炎はどうしたら消えるのでしょうか』


「あ、忘れてました……。しばらくすれば消えますが今日は整備に回して明日改めて第二戦をした方がいいと思うわ」


『そうなんですか?では、そのようにさせていただきます。

 では、皆様。明日の試合もお楽しみに!』


 こうして、本戦準決勝第一試合は終了した。

第二試合も載せるつもりだったんですが時間がかかりそうなんで割ります。

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