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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第九章 初級冒険者、生き残る
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⑤対立する意見

「まずは、状況の確認だ」

 武具に問題はないが、俺は左腕を、ロロは右足を骨折している。彼は一人で歩けないが、魔法は座ったままでも放つ事が出来る。怪我の位置が逆になっていたら、目も当てられなかった。


「食料は、シランド達が落としてくれた荷物と合わせて二、三日分はある。それに、さっき見てきたが、俺達が落ちた所には水源があった。取り敢えず、救助を待てる間は何とかなるだろう」

「僕達が落ちた怪我がこの程度で済んだ理由は、その辺りかもしれませんね」

 自分の右足を擦りながら、ロロも現状を把握する。

 焚き火が弱くなった事に気付いた俺は、地面に積んだ薪を一本追加した。唯一、木材だけは余裕がなく、洞窟内では満足に補充がきかない。食料よりも、むしろ防寒面において不安が大きい。

 ロロが杖を掴む。

「僕はまだ魔力があります。休めばある程度回復もします。リュウさんの体力は、まだ大丈夫ですか?」

「あぁ、体力だけはみっちりと鍛えたからな。同じように、適度に休息できるなら問題ない」

 まさかこんな事になるとは思わずに不満を吐き続けていたが、今までの訓練に意味があった事を思い知らされる。


 ロロは、太ももの上で拳を何度か握ると、こちらに鋭い視線を向けてきた。

「リュウさん、休憩したらこの場所から移動しましょう。出来れば、上層へと繋がる休憩所まで避難した方が良いと思います」

「なっ!」

 その考えは、俺が早々に捨てた案だった。

「ば、馬鹿な事をいうな! そいつは無茶だ。この怪我で地図もなく、未経験の下層を歩き回るなんて危険すぎる!」

 そもそも提案者のロロが歩けない以上、移動には俺が担いでいく事になる。その時に魔物にでも襲われれば、一巻の終わりである。

「むしろ、落ちた場所で待っていた方が確実に救助されやすい。こいつぁ、遭難の基本だろう?」

 弱気で慎重な彼の性格から、無暗に危険を起こさないと思っていただけに、最初の方針で違えるとは予想だにしていなかった。

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