表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第十一章 初級冒険者、生還する
109/131

⑤同類

 ティリアは故郷の村人に、厄払いとして売り払われた。だが、半亜人(ハーフ)の彼女は、亜人としても人間としても、買い手が付かなかった。

「それで、()()()()拾われたという事か」

 繋がっていく話に、ティリアが小さく頷く。

 そして彼女は、小さく微笑む。

「その顔」

「………顔?」

「今のリュウと同じ顔を、御主人様もしてくれた。口にはしなくても、本気で怒ってくれた」

「怒ってなんか、いねぇ………よ」

 つい顔を背けていた。

 俺が大切にしたいと思う人が、知らない所で、知らない不幸に巻き込まれていた。そして、俺の無知が多くの人を傷付けていた事を改めて思い知る。

「自分の情けなさを噛みしめてるだけだ」

「正直に言わない所もそっくり」

「………ふん」

 同類扱いされ、俺は複雑な心境になる。


 そこへ聞こえてくる木の廊下を走る音。その音はどんどんと大きく、こちらへと近付いてくる。

「誰かが来ます」

「………何となく分かる」

 俺の所へ来るという時点で数が限られる。その上で、このタイミング。

 だが足音が一瞬無くなり、大きな音と振動が同時に伝わった。

「あ………」

「転びました」

 ティリアと二人でカーテンの奥を見つめる。


 すぐにカーテンが開かれ、目が隠れる程の黄色い前髪が現れた。

「りりりり、リュウさん! 無事だったんですね!」

「だぁぁぁぁ! ろ、ろろロロ! まずはその鼻血を拭けぇぇぇぃ!」

 顔から血と涙を同時に流すロロに、思わず引きつった顔と体が仰け反る。

「リュウさん! 僕はロロです! ロは二回です!」

「分かってるから! いいから、拭けぇぇぇ! あぁ! 垂れる! ぐぅぉぁぁぁ、か、体がぁぁぁっ!」

 全身の筋肉がつるような痛みに、体が変な姿勢で固定された。これ以上は思うように動かない。

 俺はティリアに顔を向け、急いでタオルを用意してもらった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ