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一ノ瀬早苗の時間  作者: ナウ
墓守の四方城玲華
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21/24

万里川知紗

友人のお墓参りに友人である万里川まりかわ知紗ちさがタクシーに乗って来た

何も持たずに来たが知紗らしい

別に手を合わせるだけでもお墓参りにはなる


知紗は色々聞いてきた

他の家のお墓に掛けてある木の板は何かとか

卒塔婆と呼ばれるものだが詳しくは知らない

何か供養のためのアイテムだという認識しかないし何が書いてあるのかも把握はしていない

確かに墓守的に居てお墓を綺麗にしているならそれぐらいは知っておかなくてはならないものかも知れないけれど


騒がしく聞いてくる知紗はよくお酒を飲むのに付き合っている仲だ

お墓には興味がないとはいえ、それでもお参りに来ようという気があるのは良い事に思える

友人も笑っているだろう

そういえばお盆真っ只中

亡くなった人が霊界からこの世に帰ってくると言われているが、友人は帰ってきているのだろうか?

帰ってきているなら合図くらいは欲しいけれど、霊体が何かしらの合図を送れるのかどうかも知らない


世の中は知らない事だらけだ

科学的に証明されていないのだから殆どの人は分からないのだろうけれど

日中はアブラゼミの鳴き声が聞こえる

多分アブラゼミの鳴き声だ

それから夕方になりだしヒグラシの寂しげな声が混じってきた


お墓参りを終えて私は知紗を乗せて車に乗り飲み屋に向かう

アルコールが入れば車には乗れない

いつもはタクシーで家に帰るが駐車場に車を停めて店の近くのホテルで一泊する事にした

それはそれでいつもと違う時間を作れて実に楽しい

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