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僅かな幸福
幸福というのは人によって変わる
早苗にとっての幸福
それは善を成さず悪もまた成さず、ただひたすらに淡々と日々を送る事
他人に煩わされる事なく、他人を煩わせる事もない
栄養のある食事とフカフカの布団
小さな1人住まうに足る家
僅かばかりの贅沢と散歩
ごく稀に会う友人との会話
あくせくと何かの為に働く在り方は心にイガイガを生み出す
ただ時の流れに身を置いて世の変わりゆく様を見続けていたい
望むのはただそれだけである
それ以外に幸福を見出す事はできない
世間という雑音に悩まされる生き方の何と無駄な事か
しかし世はそれすら許される事なく生活に追われて生きている人々が多い
寝る事もまた幸福である
寝られる幸福
世の中にはストレスや悩み、病気で寝られない人々もいる
睡眠と散歩、適度な食事があれば満たされる
何故に人は多くを求めてしまうのか?
求めて得られるモノなど小さく取るに足りないモノの筈なのに
日々をただゆっくりと過ごす
今年でもう19歳
既に十分長く生きた
これからの時間は余生でしかない
そう
慌てず騒がす心穏やかに、緩やかに生きる
この魂が肉体から離れるその時まで




