表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

7

今日はいよいよ感謝祭の日だ。

マリアとリュートに手伝ってもらい衣装に着替えると屋敷の前に移動する。


「エリク やっぱりかわいいわ」

いきなり母上に抱きつかれた。

「母上ー 苦しいです」

「うーん こうしてみるといつものエリクと同じ人だとはとても思えんな」

「父上 ひどいです」

そんなにか と思いながらも気になって近くの水瓶を覗き込む


「うわっ 誰だこれ」

美しい金色の髪に木で編んだ冠がせ古代ギリシャにいそうな白い布をまとっている。琥珀色の目は朝日を受けて黄金色に輝き、全体的にしゅっとした顔立ちは幼いながらも美しさが見てとれた。

これが俺か………………  

あぶないあぶない 水瓶の中に映る自分に見とれるってまさにナルシストじゃねえか。


「おい エリク そろそろいくぞ」


村の広場につくとすでに大勢の人が集まっていた

青い服をきた神殿長が 祭のはじまりを儀式する

「さあ いこうか」

父上に促され今年取れた麦を手に持って臨時の祭壇に登る。

祭壇に麦を捧げ神殿長が祝詞を奏上すると儀式は終わりとなりあちこちで酒盛りがはじまる。

まあ豊作を祈るというよりも酒盛りの口実のようになっている。


「では我々も楽しむとするか」

「はい 父上」

実は今日は楽しみなことがあるのだ。それがワインである。

エールは年齢制限はないがワインは12才になるまで禁止されている。しかし感謝祭の時だけは八才でも飲めるのだ。


「ああ 美味しい」

エールが日本での水だとするとワインはジュースである。甘くてたまらなく美味しい。

「エリク様っ」

ワインを楽しんでいるとルークがきたようだ。

「おう ルーク なかなかきまってるじゃないか」

今日のルークは騎士の正装で背中のマントがよく似合っていた。

「エリク様 祭壇でのエリク様も凄かったですよ まるでめが……  とても神秘的でしたよ」

貴族は男女とわず髪を長くする傾向がある。今日はいつもはうしろでまとめていた髪を解いたので余計に女性に見えやすいんだろうが

「さすがに女神はやめてくれよ」

「はいっ  でも上品な動作でワインを飲んでいるエリク様をみると何だか胸が…… 」

「おい ルーク 目を覚ませ 俺は男だー」




酒盛りが終わったのは日もくれようかというころだった。


祭が終わるとまた再び日常が戻ってくる。

「おっ 完成したか」


木工職人のダンが歯車を完成させて持ってきたようだ。

「あーそうだな 下の小屋に案内しておいてくれ」

下の小屋とはこのあいだ使われていない小屋を見つけたので父上に言って使わしてもらっている小屋のことだ。


「それでこれがその歯車か」

「いかがでしょう」

「すごい」

正直人力をなめてたかもしれない。見事なバランスで機械で作られたと言われたら信じるだろう。

「ありがとうございます」

「報酬は豆と麦で半分ずつだったな」

バーレン男爵領には外からの商人は一巡り(8日)に一度来るだけだ。なので貨幣はあまり使われておらず、せいぜい銅貨である。よって貨幣を渡しても喜ばれない。一方男爵家から言うと外とのやりとりのために貨幣が欲しい。必然的になんかの報酬を渡すときは穀物が使われることになる。


「よし 組み上げるか」

歯車の軸を立ててそこに歯車をはめる

「おおー」

「これは見事ですね」

ぴったりはまった。

「あっそういえば針がないな」

「針ですか?|

「時間をさすためのものだ」

まあはじめはなくてもいいか 歯車に線を引いて代用する。この時計はまだ試作品なので振り子の一周期の60倍の時間で一周する歯車を秒針に、3600倍の時間で一周する歯車を分針として使う。分針と秒針が同じと頃にないので車のメーターのようだが仕方がない。

「リュート ここを持っていてくれ」

リュートに錘をもっていてもらい振り子部分を完成させる。サイズは随分大きくなり縦横は50センチもある。最後に動力ようの錘をセットして振り子の長さを30センチほどに設定して

「よし リュート 放していいよ」

リュートが振り子を離すと

チッ チッ チッ 


「エリク様 これは一体 何をするものなのでしょう?」

そうくるか まあ確かにこの重要性と美しさはわからんか。振り子が一往復する度に一番端の歯車がひとつ動く、それと同時に振り子がすこし押されて摩擦で振り子の振れ幅が小さくなるのを防ぐ。

「見ていればわかる」

「は はあ」

だんだんと秒針が回っていき一分で一周する。その間も振り子は

刻々と時を刻み続ける。

「もっ もしや」

「ああ 時を刻む機械 時計だ」

「えっ時ですか?」

「なんだと思ったんだ?」

「あ いえ 何か神と話すためのものではと」

「ん そんなわけないだろう」

どうやら頭がおかしくなって神と交信するとか言い出したと思ったのか。これも日頃の行動からくるものかもしれないな


さて、こちらでは一日を20時間としているのでこの時計もそうするつもりだ。しかし基準がない。現実的なことを考えると南中から南中まででちょうど20回まわるように調整するしかないか

まずは一日の誤差20分を目指すかな



はじめて時計を見た人ってなんの機械か分からないと思う

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ