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この話を投稿したら少し勉強に身を入れようかと思います

あれから十日ほど経って肥料が一応完成した。

「ではこれを畑に撒かせますかな」

「そうだな 手早く結果がわかるというのは  飼料向けのカブがちょうどいいだろう」 

カブなら80日二まわりも有れば収穫できる

「では 早速撒くように命じます」

「待て クリストフ まきかたに案がある」

「案?ですか?」

「カブを植えるのはこことここの畑だな」

ドーパ村の畑の図を見て考える。

「まずこの畑を縦に4つに分ける。そして端から1234と番号をつける。そして同じく1234と書いた木の札を袋に入れて奴隷に二枚抜き取らせその番号のところにだけ肥料をまき、袋は中を見ずに保管する。そして収穫した後に袋を開けてどこに撒いたかを見る。どうだ?」

要するにランダム化試験のようなものである。

「やり方はわかりますがなぜそのような面倒なことを?」

まあ 分からないか

「撒く畑とそうでない畑を分けるのは効果があるか確かめるためだ。そしてそれが分からないようにするのは知ってしまうことで特定の畑ばかりを知らず知らずのうちにひいきしないようにするためだ。奴隷には撒いてない畑も撒いた畑と同じようにほぐしさせておいてくれ。」

「なるほど すぐにやらせます」


ふう これでしばらくは肥料はおあずけだな

と思ってふと足元を見ると ヤツがいた

三億年前から行き続ける生ける化石 一匹いたら三十匹いると言われ 世界では一兆匹以上いるとされる台所の悪魔こと ゴキブリがそこにいた。

「リュート 動くなよ」

「えっ ちょっ エリク様っ」

慌てながらも言うことには従ってくれる。いい従者だ

腰に差した剣を抜きヤツの黒々とした背中に振り下ろす。ガチンッ 紙一重でかわされる。しかし俺のほうが一枚上手だ。振り下ろしたまま剣を横に動かしヤツを剣の腹で捉えた。そのまま飛ばされて壁にあたったヤツにすかさず止めをさす。

「ふうっ 激しい戦いだった」

「エリク様っ 激しい戦いだったじゃないですよ」

どうやら心の声が漏れていたらしい

「こんなことで剣を抜かないで下さい そんなに嫌いなら靴で踏むなりなんなりにして下さい」

「ごめん ごめん」

それにしても異世界にまででるとはゴキブリ恐るべしだな

  



 

時計の部品が完成した。

「これ 本当に青銅か?」

青銅と言うと十円玉の色を想像したのだが今手元にあるものは僅かに黄色がかった銀白色で金属光沢を持っている。

それに黄銅で出来た歯車に比べて厚さや表面にむらが少ない。一時代を築いただけのものはある。歯車は青銅で決まりだな。

木の箱には既に焼き印で文字盤がついている。歯車と錘を組み立てて最後に木の箱を閉じて針をつける。今や一日の誤差約5分となった試作品1号を使って錘の長さを調節する。


「よしっ 第二号完成だ」

2号は大きさは1号の半分以下 人がちょうど背負えるくらいの大きさだ。

「リュート 背中を向けて」

「はい こうですか?」

一緒に作っていた持ち運び用の箱に2号を入れてリュートに背負わせる

「重いか?」

「いえ 普通に歩けますし両手も使えます。」

運ぶための箱はリュックのように背負いそのあと前の革で出来た帯を紐で固定すれば背中にぴったりくっついて動かない。

「よし とりあえず屋敷まで運ぶぞ」



父上の部屋に入ると父上とルドルフがいた。

「父上 失礼します」

「おお どうした?」

「機械時計が完成したので持ってきました。」

「持ってきた?そのリュートの背負っているヤツか?」

「はい」

時計を箱から出して振り子がどこかにぶつからないように机の上に置く。

チッ チッ チッ チッ

「「おおっ」」

「エリク よくやったぞ この鳩はうちの家紋か良くできてる」

「これならグアニール領の絹やシトス領のワインのようにうちの領の特産品になるかも知れませんね」

「手始めにお祖父様に職人のお礼として三つほど贈ろうと思います。」

「三つもか?」

「ええ 運ぶ途中に壊れかも知れないので」

「エリク様」

「どうしたルドルフ?」

「あのー これだけ贈られてもどうやって使えばいいのか分からないかと」

「うーん」

「エリク 奴隷の若者を何人かやるから読み方と直し方を仕込むといい」

「あっ なるほど」

「そうだ 時計の読み方を説明できる奴隷とまとめて贈れば大丈夫だろう そしてそのまま修理工として使えば」

「いちいち修理に持ち帰る必要はない ということですか 早速やってみます。ありがとうございます父上」

一般の民衆は大きく4つに分けられる。自分の土地を持つ農民、土地をもたない小作農、被差別民としての奴隷、それ以外のパン屋や職人や商人である。人口はおおよそ3:5:1:1となっている。

土地持ちの農民は村の中心で寄合を持って村の決まりを決めたり家畜を持ったりする。次男や三男が兵士となったり子女が領主の使用人になることが多い。小作人は人口で言えば一番多く領主や農民の畑を耕すことで生活する。また小作農には農民とは違い神官になったり移動したりする権利がない。そして奴隷だが法律上人ではなく物として見なされる。その為他の身分ではできない売るということができる。


「リュート いつもの小屋に体を洗ってから連れて来てくれ 明日から始めよう」



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