大いなる旅立ち。2
私達は何日も歩き、琵琶湖の湖畔にへとやって来た。
『まるで海みたい!!』
私は、まるで海の様に波の有る大きな湖に感動していた。
『アヤメ、これが琵琶の湖だ。
しかし、本当に海の様だのぉ。』
『はい!
五月にも見せたかったなぁ……。』
『そうじゃな。
もう、そろそろ日も暮れよう。
瀬田の大橋を通ったら宿を取ろう。』
『はいっ!』
そうして私達は瀬田の大橋に差し掛かる、街道街である話を耳にした。
『また、死人が出たそうで……。』
『こりゃ、どうしたものかな。』
『誰か退治してくれる人はいないものかね?』
なんだろう。
『将門様、瀬田の大橋には何かがいるのですかね?』
『うむ、街人の噂話を聞く所によると、何かが住うのは間違い無いな……。』
『も、もしかして、街の人が退治って言う位じゃ、妖怪の類いでは!?』
『確かに、その可能性も有るな。
ならば今宵は、ここで宿を取って情報を得るとするか。』
そうして、私達は瀬田の大橋を渡るまえの宿場町で、一晩を過ごす事にした。
宿は混雑していて、武士も商人も関係なく雑魚寝していた。
妖怪騒ぎで宿は鮨詰め状態だ。
『……これなら、近くの寺か神社を借りるべきであったな。』
『も、申し訳御座いません!』
『嫌、儂の事では無い。
これでは、アヤメが可哀想だ。』
『将門様っ! 私は大丈夫ですから。』
『しかしアヤメ、この様な所では疲れも取れまい。』
将門様は、本当に私の事を娘の様に考えてくれる。
『将門様、明日も出立は早いのですから、早く眠りましょう。』
私が、将門様の優しさに応えようと布団を正した時だった。
『ま、将門殿っ!?』
私達一同がその声に振り返った。
『や、やはり平将門殿ではないかっ!!
儂じゃ! 藤原秀郷じゃ!!』
老年の人が、懐かしむ様に将門様の顔を見てやって来る。
『藤原秀郷殿か!?』
『おお、そうじゃ!!
久方ぶりよのぉ!』
『おお! 秀郷殿!!』
二人は懐かしさのあまり、強く抱擁した。
©︎2022 山咲 里




