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第94話 アリシア、ラダリィの秘密に気づく

≪これで25人目です≫


 そう言ってエヴァちゃんが目の前の男を呑み込んでいく。

 あ、いや、表現が悪いね。

 特別反省室に収容していく。


「多いね……。まだ王都に入ってから10分も歩いていないのに」


 というわけで、スミナルド陛下を護衛する組(わたし、スレッドリー、エヴァちゃん)は王都の見回りを実施中だ。

 見回りのことは、スミナルド陛下に許可を取っていない。わたしたち独自の判断で行っているものになる。

 まあね、このやり方は……ちょっと説明しづらいし。


「今エヴァちゃんの姿って、周りの人からはスミナルド陛下に見えているのよね?」


≪そうです。威厳たっぷりな陛下に見えますか?≫


「いや、わたしからはいつものエヴァちゃんにしか見えていないから……」


≪アリシアとドリーちゃんが混乱しないように、お2人には『常識改変』スキルの効果が適用されないようにしていますから≫


「ミサトさんはいつものミサトさんなのに、民が皆、恭しく頭を下げているな……。不思議な光景だ……」


 スレッドリーが挙動不審になっていた。


「これが威厳たっぷりってことなのかな? スレッドリーが街中を歩いても、こういう感じにはならないよね。子どもたちが一斉に寄ってきちゃうし?」


 親しみやすい王子との違いってやつ?

 まあ、スミナルド陛下は王様なんだし、少し恐れられているくらいのほうがちょうど良いのかな。でも、ストラルド様はそんな感じでもなかったしなー。


「ちょっ、エヴァちゃん何しているの⁉」


 見ればエヴァちゃんが、わざわざ頭を下げる人たちのところに近寄って行き、女性限定で顔を上げさせていた。


≪何と言われましても、陛下ならいつもこのようにして女性の品定めをされていますが?≫


「マジぃ? スミナルド陛下最低じゃん!」


 まさかそうやって側室を増やしているの⁉

 思っていたよりも、かなり節操ない人だわ……。


≪陛下はメンクイですから。それと巨乳好きです≫


 知りたくなかった……。

 はっ⁉ ということはやっぱりラダリィはスミナルド陛下に狙われているのでは⁉


≪ラダリィさんは地味顔なので、陛下のお好みから少しはずれていらっしゃいますね。あえてドリーちゃんの機嫌を損ねてまで手を出す気はないそうです≫


 ぜんぜんわかってないなー。

 ラダリィは普通っぽい顔だから最高なんだよ!

 というかね、ラダリィのあれは、あえてのメイクでもあるんですよ? 印象に残らないようにのっぺりさせているというか、諜報活動するのにはそっちのほうが都合が良いですからね。って、体が印象的過ぎて、ぜんぜん隠れてないけれどね!


≪アリシアもようやくそこに気づいたのですね≫


 そこ?


≪ラダリィさんの素顔は地味などではありませんよ≫


 そうなの⁉


≪偽装工作が施されています≫


 そうなの⁉


≪ラダリィさんの先祖には、魔族――しかも夢魔の類の方がいらっしゃいますね。もうその血はとても薄いですが≫


 夢魔?

 サキュバスってこと?


≪今はほとんど人里には降りてこない希少種になっているようですね。ですが現在も、純血種の夢魔の方の存在は確認されています≫


 サキュバスってエッチな夢を見せて、それを栄養にするんだっけ?


≪そうです。アリシアがいつもされていることですね≫


 わたし、いつもそんなことをされているの⁉


≪ラダリィさんが意識的にやっていることではありません。無意識に『誘因』スキルを使い、周囲から性的な感情を栄養として吸収しているようです≫


 言われてみれば……たしかにすごくサキュバスっぽい行動だった……。

 なんで今まで気づかなかったんだろ。


≪本当に微量の採取なので、私も最近まで気づきませんでした≫


 でも気づいたんだ?


≪特別反省室で、捕えた≪シガーソケット≫の幹部たちに拷問をしているラダリィさんを観察している時に気がつきました。ラダリィさんは何十時間も連続で活動しているのに、休みもとらず、疲れている様子もなかったので、不思議に思って注視していたのです≫


 なるほどねー。

 あれ? 拷問って性的な感情……なんだっけ?


≪いろいろあるのです……。そういったことに喜びを見出す人もいらっしゃいますし≫


 あーね?


 ……ロイス、元気かな。

 ゼルミス様に言い忘れちゃった。たまにはロイスのお尻を蹴ったりしてあげてねって。


≪それはお伝えして良いものか迷いますね……≫


 でも喜ぶし。


≪夫婦の間柄でも知らなくて良いことはあるのですよ≫


 ふーん?


「あ、もしかしてラダリィがスレッドリーの傍にいるのって……」


「俺? なんだ?」


 スレッドリーがドMだからだったりする?


≪ドリーちゃんのそれは性的な感情ではなく、特性なので少し異なりますが、お2人の相性は悪くないでしょうね≫


 やっぱり相性が良いんだ……。


「ジーーー」


「なんだ? 手、繋ぐか?」


 スレッドリーはわたしの視線の意味を勘違いしたのか、うれしそうな顔をして手を差し出してくる。


「繋がない」


 相性の良いラダリィと繋げば良いでしょ!


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