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第65話 アリシア、ラッシュさんとエイミーンさんの近況を聴く2

≪『ダーマス』の手前で、みなさんとお別れしてから、ラッシュさんとエイミーンさんは、街道を外れて南下するルートを取りました≫


 エヴァちゃんが2人のこれまでの足跡を明らかにしていく。


 エヴァちゃんによると、まずは人目を避ける形で街道を外れて移動。エイミーンさんがローラーシューズの使い方をマスターした後、王都方面に進路を取ったらしい。

 エイミーンさんが一緒にいるため、ラッシュさん単独でしか街に入ることはかなわず、小さな村に寄ったり行商人から食料や日用品を購入しながらの旅路で、けっこう苦労したのだとか。

 まあ、資金はスレッドリーがご祝儀と称してかなりの金額を渡していたし、多少割高な買い物を繰り返しても、お金の問題はなかったでしょうね。


 ある程度土地勘がある場所ということで、2人はしばらくの間、『ガーランド』の端っこ、『ビーリング』に接する場所にある小さな村『カルンドゥ』に身を寄せることになったらしい。『カルンドゥ』村では男手が足りなかったらしく、ラッシュさんの人柄も手伝ってか、村の住民たちから早々に受け入れられ、2人は楽しく暮らしていたんだとか。

 

「めっちゃ順調そう。まあ、人当たりの良いラッシュさんならどこでもうまくやっていけるよねぇ」


「エイミーンさんはちょっとだけ怖いですけどね!」


 ナタヌが冗談めかして笑う。


「たしかにねー。でもラッシュさんが一緒にいたら、ずっと恋する乙女の顔なんじゃないの? ツンデレのデレ部分だけだったらかわいいものでしょ」


 怖かったのはラッシュさんに復讐しようとしていた時だけだし。

 あの時は口調も荒々しかったしなー。



≪ですが、そんな『カルンドゥ』村での日々も長くは続きませんでした≫


「何かトラブルが?」


≪はい、偽名を使い身元を偽っていたにもかかわらず、エイミーンさんに懸賞金が掛かっていることはバレてしまったようで、王都から憲兵が派遣されてきたのです≫


 マジかー。

 そういうのって何でバレるんだろうね。

 手配書? 小さな村にも似顔絵が出回っているとか? あんまり考えにくいんだけどなー。


≪私の指示で、憲兵到着の直前に、なんとかお2人は『カルンドゥ』村を脱出。しばらくは森を彷徨って逃亡生活を余儀なくされました≫


 ギリギリセーフ。

 さすが索敵・防衛システムのエヴァちゃん!


≪追っ手がかからないことを確認後、森を出て、王都を離れるルートを取ることになりました≫


「まあ、そうなるよね。また憲兵が来たら困るし、できるだけ離れておけばそれだけ国のほうの対応も遅れるだろうし」


≪その移動の途中に、ストラルド陛下が崩御されます≫


「ああ、父上……」


 スレッドリーがうな垂れる。

 そっと背中を擦ってあげることにした。


 まだ心の傷が癒えるには時間が必要だよね。うん……それはわたしが支えてあげるよ……。


≪ラッシュさんは王都に戻り、陛下に哀悼の意を示したいと考えたようですが、思いとどまり、あえて他の国民たちとは逆のルート、王都から離れるルートを取ることになりました≫


「あの時は、全国民、可能な限りみんな一斉に王都を目指したもんね……」


 王都から離れる方向に進む人はあまりいなかっただろうなー。

 ちょっと悪目立ちしてしまうのでは?


≪結果的に言えば、この行動によって、お2人は窮地に立たされることになります≫


 やっぱりね……。

 逃亡生活をするならできるだけ目立たないように。みんなが王都に向かうなら、人の波に紛れて堂々と王都に向かうべきだった。とても勇気がいるだろうけれどね。


「また憲兵に見つかっちゃった?」


≪いいえ、アリシアもみなさんもよくご存じの通り、葬送の儀式の期間中は、王都にいるすべての兵、従者たちは非常に忙しく働いておりましたので、外へ派遣する余力など一切ありませんでした。あの時はすべての治安維持機構は一時停止した状態になっていたものと思われます≫


 まあそっか。

 控えめに言っても、倒れそうなくらい忙しかったもんね……。ラダリィの顔に疲労の色が見えるくらいに。


 今は……顔色ヨシ! 体も健康そう♡


「なんでしょうか? 突然じっと私の顔を見たりして」


 ラダリィが怪訝そうな表情をする。


「別にぃ? 今は元気そうだなって思っただけー。問題ないから続けて」


「そうですか……」


 微妙な表情。

 納得いっていなさそう。

 わたしがエロ目的で見つめたと思っているんでしょう? 残念! そんな気持ちは少ししかありませんでした!


≪続けます。王都とは逆方向に進路を取られたことにより、お2人は、とある私的な検問に引っ掛かってしまいます≫


「私的な検問?」


≪はい、暗殺集団≪シガーソケット≫による私的な検問です≫


 あー、ここで≪シガーソケット≫の名前が。


≪お2人は捕らえられ、『デオミンガル』に連行されてしまいます≫


「エヴァちゃんがいたのに?」


 そういう時は助けてあげてよ。


≪直ちに命の危険はないと判断し、手を出しませんでした。逆に、≪シガーソケット≫とともに行動をすることで、王都からの追っ手に対抗することも可能になりますので、そちらのほうがメリットとしては大きいという判断もありました≫


 うーん。それだけ聞くと正しい判断にも思えるけれど……。


≪エイミーンさんの逃亡は前々から≪シガーソケット≫内で問題視されていたようで、すぐに拷問されそうになったため、観察するという方針を変更し『常識改変』スキルを使用。「エイミーンさんは王都事情に詳しいラッシュさんをスカウトする任務に就いていた」という新しい常識を組織全体に植え付けることで事なきを得ました≫


「おおー、なるほどね。エイミーンさんは任務を果たしたということになって、ラッシュさんは要人として組織に迎え入れられた、ってことかな? エヴァちゃんやるなー」


≪それほどでもあります。私としてもうまいことやれたと自画自賛します。えっへん≫

 わたしのロボは優秀だなー。

 えらいぞロボ! いけいけロボ! 


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