表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義弟が『俺、異世界賢者の転生者だ』と言い出した  作者: 有


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/42

本当だったの

 私が、聖女?

 いやいやいや、ないないない。

 二十歳過ぎて聖女とかないわ。ない。

 だいたい、そこは10代の子でしょ。いや、最近の流行はアラサーとかもあるか。一番中途半端だから、20代前半とか!

「はっ、世界を救ってほしいとかそういうくっだらない理由じゃないよな?」

「くだらないとはなんだ!立派な理由ではないかっ!」

 和樹がふんっと鼻を鳴らす。

「くだらない。なんで、わざわざ別の世界の人間を巻き込む?自分たちで何とかできない世界なら、滅んでしまうのが世の理だろう!」

 そうですね。誘拐と変わりません。

 ブラック企業が問題になってるけれど、それ以上にひどい行いですよね。

 拉致誘拐からの強制労働。下手したら衣食住は保証されていても軟禁状態。無給に無休。

 世界を救ったそのあとはポイされることもある。……あ、全部小説の話だけど。もしかしたら、もっと恵まれた待遇が待っているのかもしれないけど……。でも……。

 きっと、家に帰すつもりはなかったんだろうな。

 自分たちが異世界に逆召喚されたことに「そんなバカな」と言っていたくらいだ。

 あ、反転って、そういうことか!

「ひどい、それでもお前は人か!」

「ひどいのはどっちだ。無関係な者を自分の勝手な理屈で巻き込むな」

「生意気な!誰に向かってそんな口をきいている!私は超賢者ロックであるぞ」

 禿頭が唾を飛ばしながら主張した。

「超賢者って、偉いの?」

 思わず首をかしげる。

「知らねぇ。俺の時代には大賢者までしかなかった」

「は?俺の時代?何を言っている?超賢者を知らないとは愚か者め」

 和樹がはぁーっとため息を一つついた。

「愚かなのはそっち。ここさぁ、お前らの世界じゃないんだけど?そんなに立派っていうんなら、もう出てってくんない?自分の世界に帰るなり、こっちの世界で生きてくなり好きにすれば?」

「なんだと?勝手にこの世界に連れてきて、追い出すつもりか!」

 白髪が怒った。

 ああ、もう、あきれていいでしょうか。

「勝手に結梨を連れてこうとしたくせに、それに失敗してここにいるんだから、完全に自業自得だろ?なぁ?」

 和樹が私に同意を求める。

「まぁ、うん、それはそうなんだけど……さすがに、お金も渡さず知らない世界に放り出すのって、なんだかこちらが悪者みたいじゃない?」

 和樹がはーっとため息をついた。

「かといって、なんで被害者の俺たちがこいつらに金を渡さないといけない?」

「えっと、ちょっとびっくりしたけど、被害者ってほど何も被害はないし……えーっと、本物の魔法を見せてくれたお礼?と、か?」

 和樹がうーんと頭を抱える。

「ったく、結梨は……変わらねぇ。全然、昔から変わらねぇ。前世の記憶なんてなくたって、ずっと結梨は結梨のままだなっ!」

 はい?

 前世の記憶?

 はっ!そういえば……。

「和樹、あんた、前世の記憶があるって……前世は白の大賢者だっていうのって、本当の話だったの?」

 魔法陣を書き換えてたあれ……!

「し、し、し、白の大賢者だと?!」

「ま、ま、ま、まさか、まさか……」

 え?

「和樹って有名人だったの?」

 白髪が腰を抜かした。

「まさか、伝説の、歴史上もっとも偉大な賢者様……」

「強大な力と圧倒的な知識、一人で世界を3度もお救いなくった……欲しいものは白い人以外はすべて手に入れたというあの……」

 ん?白い人?

「まさか、聖女様は……」

 何か、男と和樹は話が通じているようだ。

 おかしい。

 なんで、ずっと一緒にいた私よりも、この突然現れた男のほうが和樹のこと知ってるの?

 ちょっと悔しくなってぷぅっとむくれる。

「やっと、同じ土俵に乗ったんだ。大学生と大学生っていう同じ土俵に!」

 腰を抜かした白髪が大学生という言葉に首を傾げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ