修行の地と精霊と退魔士の過去
山田さんの過去がチラッとでます。
麗奈と鬼瓦さんの修行は週末泊まりがけで行われる事になった。
出発時刻は麗奈の学校が終わる時間に合わせてある。
「それじゃ今行きますね…プリム本当に着いて来るのか?」
組織の迎えがアパートに着いたとの事で電話が来たんだけども、いつもはぐうたらを決め込んでいるプリムが気合いを入れて準備をしている。
「そんなの当たり前田のあっちゃんです。あの礼儀知らず女からマスターをお守りするのが使い魔としての務め。僕の新能力を存分に披露して見せます」
「後悔しても知らないからな。あそこには使い魔専用の修行場もあるんだぞ」
しかもプリムだと結構なハードコースになると思う。
「修行結構、あの礼儀知らず女と実力を引き放してやります」
そう言って気合いを入れまくるプリム、その気合いが何時まで持つのやら。
「マスター、あの怪しさ満点な車はなんですか?見た目がまるで刑事ドラマに出てくる護送車じゃないですか」
俺達を迎えに来たの車はワンボックスカー、後ろには窓類が一切なくプリムが言う通り物々しい造りになっている。
「まるでじゃなく作りは殆ど一緒だよ。まっ、こっちはロールバーで補強したり護符とか色々組み込んであるけどな」
「マスター、僕お腹が痛くなってきたので」「ほらっ、行くぞ。時間がもったいない。すいません、この住所までお願いします」「マスター摘まないで下さい。僕はデリケートな妖精ちゃんなんですよ」
――――――――――
「麗奈待たせたな。とりあえず車に乗ってくれ」
「山っち、その頭にいる虫も着いてくるの?あー、虫だから山に帰すんだ」
「くぉら!!僕は森育ちであって山育ちじゃないんだぞ。見てろ、木々は僕にパワーを与えてくれるんだからな」
「はいはい、虫はカブトムシでも逆ナンしてな。それで山っちどこに行くの?」この2人の賑やかさはどれだけ持つことやら。
「詳しい場所は内緒だよ。関東の山中にある元テーマパークが修行場だ」
「元テーマパーク?お寺とかじゃないの?」
麗奈は車に乗り込むなり俺の隣に座りピッタリとくっついてきた。
「バブルに作られたテーマパークが潰れた後に組織で買い取ったんだよ」
何でも元はイタリアの街を再現したテーマパークだったらしいが、山奥にそんな物を作っても入場者なんてたかが知れておりバブルがはじけると同時に倒産。
そのうち霊が住み着いたのをきっかけに組織が安く買い取り修行場に改築したらしい。
「こら、そこマスターから離れる。マスターに甘えるの使い魔だけに許された特権なんだぞ」
「不安なんだから山っちにに甘えてもいいでしょ。それに私は虫が使い魔になる前から仲が良かったんがら。ねっ、山っち」
賑やかな2人と俺を乗せた車は一路、修行場を目指し走り始めた。
2時間ぐらい走っただろうか。
窓の無い車からでも、徐々に神気、霊気が濃くなるのが分かる。
(ここに来るのも久しぶりだな。師匠やサエ姉さんは元気にしているだろうか?)
そして車がゆっくりと停まった。
「2人共着いたぞ」
「大ちゃんお帰りなさいー。あら?あらあら!まぁまぁその娘がレイナちゃん?まさか大ちゃんが彼女を連れて来るなんて今日はお赤飯を炊かなきゃー」
俺達を迎えに来てくれたのは長身で金髪の女性。
「サエ姉さん!麗奈はバイトの後輩ですよ」
「もう大君ったら照れちゃって。茜ちゃんから話は聞いてるわよ。レイナちゃんは私はサエッタよ、大君のお姉さん代わりと思ってちょうだい」
犯人は万知様か。
「は、はいっ。茜からは話を聞いてます。あのこれつまらない物ですけどよろしかったらどうぞ」
麗奈がそう言って差し出したのは
「あらあら!これは私の大好きな白金かりんとうじゃない。うん良く気がつく子ね」
サエ姉さんの容姿は外国人そのものなんだけど好物はかりんとう、しかも白金かりんとうが一番のお気に入り。
「うわっ、手土産なんてやらしい。ポイント稼ぎだよ」
それを見てぶーたれるプリム。
そのプリムを見てサエ姉さんの空気が変わった。
「あなたがプリムちゃんね。大君の使い魔になったからにはここでしっかりと修行してもらいますからね」
迫力のある笑顔でプリムを覗き込むサエ姉さん。
「マ、マスター。もしかしなくてもこのお方は?」
「サエ姉さんは精霊だよ。雷の精霊サンダーバード、ここでは妖精や使い魔の修行を担当してくれている」
「サ、サンダーバードって上位精霊じゃないですか?そんなお方がなんでマスターとお知り合いなんですか?」
「それはねー大君と最初に契約をしたのが私だからよ。私がいない間にしっかりと大君をサポートできる様にビシビシ鍛えてあげるからねー」
「マ、マスター無理です。妖精と精霊は別者なんですよ、自転車とトラックぐらいにパワーに差があるんです」
「自転車には自転車の活かし方があるのよ。修行で競輪レベルまで鍛えてあげるわね」
「僕は三輪車かママチャリレベルで十分です!!マスター助けて下さいー」
「プリムちゃん、使い魔はマスターを助ける者よ。その根性も鍛え直してあげるわね」
サエ姉さんは泣き叫ぶプリムを掴まえて連行して行った。
「あの人が山っちの面倒をみていてくれたんだよね?」
「ここに最初に来たのが小学3年の時だから、もう10年近く前の話になるけどな。小学生の時は夏休みや冬休みに修行をして中学の時になると住み込みで生活をしてたんだ。その時に色々と面倒を見てくれたのがサエ姉さんと俺の師匠なんだよ」
「そう言えば山っちて高校以前の話はあまりしないもんね」
しないんじゃなくて、組織の事があるから今までは出来なかったんだけなんだけどな。
感想お待ちしております
山田さんのキャラまとめないと、どこまで人気投票の範囲にするか悩み中です




