65 カペー商会
どうぞよろしくお願いします。
エースがフレイのところに行き、私と王都に行くことを話してくれたみたい。
なんか機嫌悪そ。
私がお父様の養女になったことは話を聞いてるだろうし……。はっ、嚙みついたこと怒られたのか!?
エースが戻ってきて「やれやれ、ちゃんと報告しろって言われたよ」と苦笑いした。
「まあ、もう少しでしょ。
夏休みに入る前に調査は終わるから、休みは一緒に過ごせるだろうし、ね」
マリアが私を見ながら笑って言った。
私はマリアのお姉さんに貰った緑の半袖ワンピースを着ていた。
微妙にトーンの違う薄い布を重ねているデザインのところがあって、涼し気でかわいいんだ。
お父様にレミ村に連れてってもらえることになったこと。
そこまで節約しなくてよくなったので、もう少し自分の身の周りの物を揃えようと思うので買い物について教えて欲しいとマリアに話すと抱きしめられた。
「良かった! ペスカ!
今度ハウアー男爵、うちに招待するわ!
ドレスについて知っていて頂かないと!」
「ドレス?」
エースが不思議そうな顔をする。
「年末のパーティーのこと。
前に話したけど、姉と一緒に行かないといけないと言ってたの覚えてる?
ペスカも行くんっですって!」
「ああ、そうだ、ドレス!?
お父様が用意してくれるとか言ってたけど……、そんな高価な物、いいのかな!?」
「ふふ、手袋は姉達がプレゼントしたのが使えるわよ!」
「あ? あの手袋、そういうことなの!?」
「ええ、ペスカなら、将来、教会側の来賓とかでパーティーに来そうだしね。
そうしたら、13歳の誕生日にプレゼントしようってなって」
エースやヨシュアにはあんまり楽しい話題じゃないかも。
私はスノウの話を始めた。
「今日行きたいカペー商会に、レミ村の幼馴染のスノウがいるはずなの。
お針子として勤めてるそう」
「カペー商会か、最近はあまり聞かないな」
ヨシュアが首を傾げる。
ヨシュアも何気に王都の事情に詳しいよね。
王都の大通りにあるからカペー商会のお店はすぐわかった。
買い物客じゃないとわかるととたんに店員さんの態度が投げやりになる。
裏に回るように言われて、裏口に行くと、女の子がひとり不安そうな顔で出てきた。
「スノウ?」
「……ペスカ? ペスカなの!?
ライオネルが手紙をくれて!」
「ああ、良かった!
私、里帰りができて、ライオネルに会えてスノウのことを聞いたの。
お店をスノウの両親に聞いてくれるって言ってくれて、手紙で教えてくれて。
スノウ!
ごめんね、もっと早く連絡を取れてたら……」
「ペスカ! 来てくれてありがとう……」
スノウは何故か不安げな表情のままで……。
「……何か不安なことでも?」
マリアが聞いてくれる。
「あ、私の学校の友達。
王都に詳しくて、ここまで連れて来てもらったの」
スノウが泣きそうな表情で、どうしようという感じで呟く。
「ペスカ……、私、どうしよう……」
「スノウ?」
「私、今月でこの店をやめさせられるの」
「どうして?」
「人員を削減するって言ってた。
私、どうしよう!! この店の住み込みだから部屋も出なきゃいけないし……」
「次の仕事は?
レミ村までの帰りの旅費をとかは?」
スノウがふるふると首を振る。
「マジか……」とヨシュアが呟いた。
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