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59 義理のなんだろう?

どうぞよろしくお願いします。

「ペスカには前から親元にそのような話がいくつも持ち掛けられていて、すべて断ってきたそうです」


「ペスカの親は?

 今日会いに行ってきたのだろう?

 近隣の者なのか?」


「……今回のことが明らかになると、騒ぎになると思いましたので、ペスカは、私が引き取りました」


 辺境伯が『は?』という表情をする。


「これよりペスカの親は私です。

 彼女の実家を騒がすようなことはなさらないで下さい」


「……なるほど。

 ジェラルド、そんなにこの子のことが気に入ったのか……。

 あなたがそれほどまで入れ込むとは、よっぽどすごい能力の持ち主なのだろう。

 では将来、アルベルトの婚約者としてはどうだ?」


「それもお断りします」


「でも! ペスカにはまだ約束した人はいないと!」


 アルベルトさんが口を挟む。


「……まだ13歳ですからね。『お相手さん』の意識もペスカはそれほどない。しかし、フレイムドラゴンのオーバと竜騎士のフレイが彼女にはいるのです。お断りします」


 辺境伯はため息をついた。


「アルベルト、今はまだ無理なようだ」


 お、あきらめてくれたのか?


 ジェラルドさんが少し声を上げて言った。


「ただ、辺境伯爵家にお願いしたいことはあります。

 ペスカは私の養女となり、ペスカ・ハウアー……男爵令嬢となりました。

 はあ、言いたくはないが、仕方がないな……。

 ペスカはジョブ持ちです。そのジョブは『聖女』……」


「なんと!! レア中のレアジョブではないか!? 何十年にひとりの?」


「……まだペスカのジョブのことはそこまで知られておりませんが、今回、村人をヒーラーとして守ったことが王城に伝われば、他の貴族達から注目を集めることになり、いずれ大勢の者に知られることになりましょう。

 ぜひ、ラファイエト辺境伯爵家に彼女の後見をお願いしたく……」


 辺境伯は頷いた。


「それは引き受けよう。わかった。

 義理とはいえ、私とペスカは従兄弟になるわけだな。

 アルベルト、おまえにとっては義理のなんだ? 大叔母の娘?」


 アルベルトさんが複雑そうな顔をした。

 私も同じ。大叔母の娘って、いまいちどんな関係かよくわからない。


「さすがジェラルド。我が家を利用することまで折り込み済みか。

 アルベルト、ペスカはジェラルドの大切な娘だ。

 ……そうだな。義理の妹のように大切にせよ。これでいいかな」


「ありがとうございます」

 

 ジェラルドさんが頷き言ったので、私もぺこりと頭を下げた。



 屋敷までなら夕方には着けるだろうということで、私達は帰ることにした。


「いつ学校へ帰るのですか?」


 アルベルトさんに聞かれる。


「今日が演習5日目。6、7、8の3日間は学びの時間ですよね?」


 私が確認するようにジェラルドさんに聞く。


「ああ、書類の手続きなどもあるし、1日早く戻ることにしよう。

 9日目には王都へ帰ろう」


 わ、レポート頑張らないと。


 アルベルトさんは「ジョイは?」と聞いた。


「ああ、今回はそのまま、王都で一緒に過ごそうと思う。

 アルベルトとエーリクにはしばらくこちらまで見回りをお願いしたい。

 王都に着いたら竜騎士団から辺境伯爵家に応援を寄こすように頼もう」



 空を飛ぶジョイの背の上で私はジェラルドさんにお礼を言った。


「私や家族のことを考えて動いて下さって、ありがとうございます」


「これで貴族の連中は下手に手を出してこれないと思うが……。

 オーバとフレイのこと。しっかり向き合って、これからのことを考えてやってくれ。

 私にはペスカが運命を捻じ曲げている存在とはとても思えない」


 私は小さな声で「ありがとうございます」と呟いた。


 決心が揺らぐ。

 でも、15歳の前には、私はオーバとフレイの前から遠ざかっていた方がいいと思う……。

読んで下さり、ありがとうございます。

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