53 難儀なジョブ
どうぞよろしくお願いします。
アルベルトさんがこのまま村の方にいてくれることになり、エーリクさんは他の場所の見回りに行くことになった。
ジェラルドさんとジョイが私をそのまま背に乗せて屋敷に連れ帰ってくれるという。
ガイルとロザリーはぶどう畑と村の方の手伝いをしてから馬車で帰るそう。
今回は私は括りつけらえる方法でなく、ジェラルドさんに抱えられてた。
括りつけられるベルトが取り外しでき、それから紐を出し金具に繋ぐ方法を教えてもらった。
なので、ジョイの上に座って、後ろにジェラルドさんが座ってという感じ。
なんか、昇格した!?
「かなり無茶をしたみたいだね……。
あの光の魔法……。
遠くからあの閃光を見て、何が起こっているのか、すごくびっくりしたよ……」
「ああ、御心配かけてすみませんでした……。
私、演習でオオカミのモンスターとは何度も戦ったことがあるから……、大丈夫だろうと……。
でも、それは学校の仲間と、騎士や武道家、魔法使いと一緒にチームを組んでいたからであって……。
私がS級でもひとりでは本当に厳しいということがよくわかりました……。
自分はヒーラーとしてできる方だと慢心していた……、恥ずかしいです……」
「そうだね。
ヒーラーと騎士と魔法使いがいたら、連携は取れるが……。
君はよくやってくれたよ。
誰も死なさないようにと考えてくれたんだろう。
本当にありがとう。でも、無茶はもうしないでくれよ……」
「はい……、でも、無理かもしれないです。約束するのは。
私のジョブは聖女なんです。だから、人を助けるためには……。
でも、自分も助かることは最後まであきらめてませんでしたよ。
友人と考えた生活魔法を使った、視界を奪う閃光と物理的な攻撃でもある水の攻撃。
最後まであきらめていませんでしたから。それが自分では頑張ったと思います」
「そうか……。
それは難儀なジョブだな……」
ジェラルドさんは呟いた。
「もしかしたら、今回のことが辺境伯の耳に入ると……、君はさらに貴族から声を掛けられることが増えるかもしれない……」
その時、屋敷の玄関について、私は金具とベルトを外してジェラルドさんに返した。
「ありがとうございました。
ジョイもありがとう!」
私はジョイの背から滑り降りる。
屋敷から使用人の御夫婦が出てきて迎えてくれる。
「モンスターと戦って村人を守ってくれたんだ。
きれいにして休ませてやってくれ。
私はまたぶどう園の方へ戻る」
「「「お気をつけて!!」」」
私はおふたりと一緒にジェラルドさんとジョイを見送った。
読んで下さり、ありがとうございます。




