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52/418

52 戦いの終わり

どうぞよろしくお願いします。

 モンスターは戦い慣れているオオカミ系だったのだけれど、時間がかかるにつれて向こうも私がこの戦いを支えていることがわかったようで、私から隣の騎士に攻撃を移し始めた。


 そうすると私は騎士に結界魔法を集中せざるを得ず、自分への結界を後回しに……。



 とうとう、私は攻撃を喰らってしまった。


 左腕の小さな引っ掻き傷だったけれど、これを治癒させている間に結界が途切れたら騎士がやられてしまう。


 私は自分を後回しにして、騎士への結界魔法を……。


 その一瞬の躊躇を、それを狙っていたんだろう……。


 彼らは一斉に私への攻撃に転じたのだ。


 私は最後に力を振り絞って叫んだ。


「みんな、強い光を発生させるから、目を覆って、光を見ないで!」


 生活魔法の光を使った閃光魔法。マリアと考えた魔法。

 これでしばらくは相手の動きを止めることができる、はず。


 私は騎士に頭を下げさせ、前に出て、モンスターが飛び掛かってくるタイミングで目を瞑り閃光を発生させた。


 モンスターの悲鳴が聞こえ、地面に身体を打ちつける音ともがく音。

 うまくいったみたいだ!


 私は目を開け、騎士を支えて後ろにさがろうとした。


 ガイルが何か叫んでいる。

 なんだ?

 後ろ?


 私は騎士を味方がいる後方へ突き飛ばし、振り向きざま、水を放出した!!


 もう、悪足搔(わるあが)きに近い。


 でも、何もしないでやられるわけにはいかないっ!


 飛び掛かろうとしたオオカミモンスターにぶち当てることができ、その個体の悲鳴と地面に叩きつけられ動かない様子を見て、残りのモンスター達も怯む。彼らも……、すでに……、満身創痍だ。


 退いてくれないかな。


 私はその場でさらに水を放出させる姿勢をわざと大きく取って、睨みつけて見せた。


 

 その時、遠くのモンスターの1匹が遠吠えを始めた。


 モンスター達の雰囲気が変わった。


 見張りが退却を命じ始めたのだ。


 でも、最後まで気は抜けない。


 風の音がする。

 見なくてもわかる。


 私と睨み合っていたモンスターに炎球が迫り、逃げ出していく。


 ジョイ!

 ジェラルドさん!!


 私はそのまま、モンスター達を睨みつけていた。


 後ろから「ペスカ!」とジェラルドさんの声がして、赤くて温かいものが私を包んだ。


 私はジョイの腕に抱きついた。


「大丈夫か! ペスカ!」


 私はジェラルドさんとジョイを見て頷いたけれど、目から次から次に涙が溢れてきて、懸命に我慢しようとした。

 ジョイから降りてきたジェラルドさんに「村を守ってくれてありがとう。ペスカのおかげで誰も失わずにすんだ」とさらに抱きしめられて「うわーんっ!」と子どものように大泣きしてしまった。


 私達の上空を白いドラゴンと緑のドラゴンが逃げるモンスターの群れを追っていく。



「ペスカ、怪我を?」


 ジェラルドさんが私の左腕の袖の破れと傷に気がつく。


「ああ、これだけだけど……」


 ジェラルドさんが治癒魔法をかけてくれる。

 私は慌てて一緒に清浄魔法をかけた。


 治療が終わるとジェラルドさんがジョイの上に私を乗せてくれた。


 ジョイの首に後ろから抱きつく。

 おんぶされてるみたい。


 ああ、安心する……。

 でも、ジェラルドさんが間に合って本当に良かった……。


 その時、アイシーとエーリクさん、リーフとアルベルトさんが、戻ってきた。

 リーフが1匹の大きめなオオカミモンスターの個体を咥えていて、ジョイの前に落とすと足でベシッと踏みつけた。


「ああ、退治してきてくれたのね。リーフ、ありがとう。

 アイシーもありがとう」


 私は涙目で彼らにもお礼を言った。

 

読んで下さり、ありがとうございます。

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