40 ばれた!
どうぞよろしくお願いします。
「そうだね、何か考えといて。
今日は演習授業の後、続けて相談しているチームが多いのかな?」
「たぶんね。うちのとこはフレイがオーバのところに行かなきゃいけないからね。
サクッとやること分担して、午後は自由ってことになった。
ハーブとケビンもお茶会前だしな。
……前のチームに、抜けるんなら薬寄こせと言われてるし……」
「……それはご苦労様。
あ、どうぞ。薬作って、作って!」
ヨシュアが使っているという作業台のそばの椅子を指し示され座る。
ヨシュアが私の後ろを何度かせわしく通る。
「……ここ邪魔じゃない?」
「用意できちゃえば、もう通らないから……」
その言葉の通り、ヨシュアが作業を始めるとその場から動かない。
見ていると面白い。
「……何?」
「ん、見てると面白い」
「……見られていると落ち着かない」
「それなら見ないよ。
あ、ここら辺の本とか読んでいの?」
積んである本を指差し、頷かれたので手に取った。
ヨシュアがこちらに来る。
私の後ろに立ち、手元の本を覗き込んだ。
「……気になってたんだけど」
後ろから手が伸ばされ肩の辺りを抱え込むように抱きしめられて、制服の襟を後ろに下げられた。
えっ?
「やっぱり……、この噛み痕、フレイだろ……。
これ、痛かったろ……」
そっと首元に触れられて、慌ててヨシュアから離れようとしたけど、がっちり掴まってて動かない。
思っていたよりヨシュアの力が強くて、それに首の後ろの噛まれた痕を見られたことに怖くなった。
「これは、私を守るためで!」
「竜騎士だから? なんか理由がある?
ペスカを傷つけても許される?」
「許すとか許さないとかじゃなくて、こうしないとオーバが私の首をじゃれて噛んじゃうことがあるからって……」
「本当に?
ただ、好きな子の身体に、自分の印を刻みたいだけなんじゃなくて?」
私は首を振った。
「ちがう!! そんなんじゃない!!」
ヨシュアが頷いた。
「そうか、わかった……。
でも、覚えておいて。僕はペスカのことを心配してる……」
腕を緩めて放してくれた。
私は前から制服の襟元を寄せるように握りしめて後ろの襟を直した。
「誰にも言わないで……」
「変なことをしているって自覚はあるんだ」
「私とオーバとフレイの問題で……。
ドラゴンの生態はまだよく知らないし……」
「ふうん」
「意味がわかったら、ちゃんとヨシュアにも説明するから……」
「……うん、わかった。
ペスカは、フレイが、好きなの?」
「……友達として好きだけど」
「ふうん、なら、僕と……」
その時、ドアが開いてヨシュアと仲の良い神寮の子達がどやどや入ってきた。
「ヨシュア! それに、ペスカ!? 珍しい! 来てくれたの!!」
「うん、前から、薬作り、気になってて……」
「わー、ぜひ見て行ってよ! ペスカなら、いつでも大歓迎!!」
ヨシュアはちらりと私を見て、ふっと微笑んでから作業台の方へ戻った。
読んで下さり、ありがとうございます。
いつもペスカをさりげなく守ってくれていた友人ヨシュア。
そりゃ、あんな傷をつけられているのを見たら、心配というか、怒りますよね。




