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34 威嚇と理不尽

どうぞよろしくお願いします。

 オーバの咆哮にキルシェが耳を押さえて「やだ、なんなの!?」と怒ったように言う。


 私は竜舎の中に走り込んで、オーバに話しかける。


「大丈夫! 落ち着いて!

 フレイ、びっくりしているけど、大丈夫だから。

 フレイが落ち着くまで待っていよう。ね」


 オーバが落ち着きなく足を地団駄させる。


 竜舎番のおじいさんもオーバのそばに付いてくれていたようなんだけど、驚いている。


「何があったんだ!?」


「フレイの親が勝手に婚約を決めてたみたいで、13歳になったからとその契約を突然、突きつけられたんです」


 おじいさんの顔が歪む。


「竜騎士を囲い込もうとしてか……」


 確かに竜騎士も聖女もとても珍しいスキルだから、そういうお誘いがあることが考えられるから注意はするように学校から言われていた。

 でも、本人が気をつけていたとしても、親が以前に約束、契約してしまっていたら……。


「愚かな……。

 お相手さん、君はどうするのかね」


 私はそう言われて……。


「私は……、フレイが思うように自由に生きて欲しい」


 私といたら、また、15歳で命を落とすことがあるかもしれない……。

 だから、私は約束はできない。したくない。

 でも、だからと言って、望まない婚約や結婚に縛られて欲しくもない……。


 私が来たことでオーバが一度落ち着いたよう。

 でも、今度は身体を震わせ始めた。

 

「大丈夫。

 フレイがどんなことになっても、オーバも私もフレイのことを大好きなのは変わらないから。

 変わらないことだけを見て。

 大丈夫だから……」


 フレイが竜舎に飛び込んでくる。

 

 キルシェと村長が追いかけてこようとして「何、何の音?」と怯えたように言った。


「カッカッカッカッカッカッカッカッ……」というオーバの威嚇音が2人を見て、どんどん大きく響き続けている。


「ドラゴンの威嚇音だ、そのうち炎を吐き出すぞ!」


 おじいさんが叫んで、村長とキルシェが慌てて外に飛び出して行った。


 2人の姿が見えなくなると、オーバは威嚇音を出すのをやめ、フレイと私に「グルルルル……」と悲しそうにすり寄ってきた。


「ドラゴンには人間の契約やらそういうことはわからないからな……、フレイが何やら理不尽な目に合わされているとしかわからない」


 おじいさんはそう呟いてから「大丈夫か? 学校長と竜騎士団長に相談しなくては」とフレイに言った。


「こんな約束があるのを気づかないようにずっと黙って……、俺が13歳になるのを待ち構えていたってことか。

 本当に、こんな、こんな理不尽なことがあるかっ!

 親父も親父だ! 何、変なところで見栄張ってるんだか!

 ……俺は戦います。おじいさん、戦い方を教えて下さい……」


 おじいさんは頷いて「そうだな。では、詳しい話を聞かせてもらえるか?」と優しく言った。 

読んで下さり、ありがとうございます。

なんかおじいさん、けっこう実力者なんじゃね!?


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