32 13歳の誕生日
どうぞよろしくお願いします。
今日は私の誕生日!
13歳!
この世界だと13歳で一応子どもから大人になったと認識される。
法的にもね。
仕事をしている子なら、13歳から一人前として扱われるということ。
私は学生だから、これから先の進路などを自分の意思で決めることが可能になる。
そのぶん、責任は増すわけでもあるんだけど。
マリアにはお菓子をプレゼントしてもらった。
マリアの家のお姉さん達からと白い手袋をプレゼントしてもらった。
へー、13歳の女子に家族から白い手袋を贈るんだってさ。
王都の慣習らしい。
「お返しどうしよう」と言うと、今度の休みにマリアの家に行こうと言われる。
私は頷いて「ありがとうと伝えておいてね!」とお願いする。
ハンカチの新作でも持って行こうかな。
ヨシュアからもプレゼントをもらった。
最近作っている薬で『解毒薬』だそう。
清浄魔法と癒しで解毒けっこうできるんだけど、持ってて悪いことはない。
「ありがとう!」
「今度、薬科教室にも遊びに来てよ。
最近、ペスカとゆっくり話せないから、さびしい」
ヨシュアがそんなこと言うなんて珍しい。
「うん、今度行かせてもらう!」
学校の授業も終わり、さて、どうしたらいいのか……、と思っていたら、エースとマリアが来て、フレイが前のところで待ってる、と教えてくれた。
「今?」
「「今!」」
「ありがとう!」
そう言いながら駆け出した。
図書館前かな?
図書館前に着いて、公園の方へ行くと前のベンチにフレイがいた。
「お待たせ!」
走っていくと、ちょっとフレイは緊張しているような感じだ。
私は隣にすとんと座ると「今日、オーバは?」と聞いた。
「あ、元気。後で一緒に行く?」
「うん、竜舎回ってから帰るよ」
「……誕生日おめでとう」
「ありがとう」
「これ……」
また細長い小さな箱を渡される。
前のは紙箱だったけど、今回のはなんだが布張りの……。
ん?
開けてみると、髪留めだった。
でも、今回のは赤い宝石が付いていて……、高価そうだ……。
「な、これ……」
キルシェの言葉が蘇った。
『この髪飾りは宝石がついてるの!』
『ペスカの髪飾りは子どものおもちゃみたい』
……気にしてた!?
私は全然気にしてないのに!!
「……フレイ、ごめん。
こんな高価なもの受取れない……。
それに、私はこのフレイに貰った七宝の髪飾りがとても気に入ってる。
ごめん、ちゃんとそういえば良かった……。ごめん……」
フレイはちょっと苦笑した。
「うん、ペスカならそう言うんじゃないかと思ったけどさ……。
ペスカの場合、早めに申しこまないと誰かと約束しちゃいそうだし。
誕生日以外に意味があって……。
ペスカ、俺と婚約して下さい!」
婚約?
結婚の約束?
……はぁ、結婚!?
「けっ、こ、こ、婚約って!?」
「ああ。さすがにこれは『いいよ』ってすぐ言ってくれないか……」
「当たり前でしょ!
あ。そうか、フレイも私も13歳になったからってことか。
でも、まず、これ先にどうにかしなきゃ!
これはどこで買ったの!?
一緒に行って謝るから、返品して来よう!?」
「返品ってひどいなあ……」
「だって……」
「大丈夫、借金とかじゃないから。
王立の竜騎士団に入団が決まったんだ。
学生をしながらだけど、学校の合間や長期休暇に竜騎士団に行って実際に仕事をする。
だから、支度金がもらえて、それで……」
「そんな大切なお金! ダメでしょ! こんなことに使っちゃ!」
「でも、婚約申し込むのに何もないのは……」
何で急に?
あ、嚙みついたこと気にしてる!?
ううっ。男の気持ちを考えればそういうものなのかっ!?
読んで下さり、ありがとうございます。




