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モフ神様と森の中  作者: 南人
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おぉ、紙よ

 今、ひっじょ~~に困った問題があるのです。


 私のスキル『具現化』は皆さんご存じの通り、描いた絵を実体化出来る事。頭に浮かぶ明確な画像を描く事で可能となるので、私自身のあやふやな記憶では上手くいかないこともあるのよね。


 使う魔力も出す物の大きさで減り方が変わるみたいで、大体1割~2割位かな。一番最初に出した米俵は2割以上だったな。一晩寝たら戻ったけど。


――あぁ、今は魔力の話じゃないわ。

 私が直面している問題は、絵を描く道具――特に紙――をどう入手するかということなのよ。


 なんせ『具現化』を使うと絵を描いた紙も消費されるから、持ってたスケッチブックの残りがそろそろヤバイ。


 なので、この世界の紙事情をレベッカに聞いたら、いわゆる『羊皮紙』が主流でパルプを使った紙は超高級品なんだって。値段聞いてびっくりしたよ。

 反対に原料となる魔獣が大型で数も多いから『羊皮紙』――この場合『獣皮紙』っていうのかな――の方が安価で普及してるんだろうね。それは分かる。分かるけど……。


「こうなったら自分で紙漉きするしか…?あぁ、でも材料って何?どうやって作るの?どうしよう~」

「『具現化』で紙を出せにゃいのかにゃ?」


 …………


 1人ワタワタ悩んでた私にレベッカの一言。

――目からウロコでした。


 で、『紙』を出すために『紙』に『紙の絵』を描くという何とも可笑しな行程を経て無事入手できましたよ。

 折角なのでいつも使ってた20枚綴りのスケッチブックを5冊組で出したのでしばらくは安心かな。


 紙問題が無事解決できてほっとしたのでした。


◇◇◇


 今日は天気も良いので皆で近くの湖に来ています。

 結構大きな湖で、ぐるっと一周するのに半日以上は掛かりそう。整備された道もないしね。


「今日の夕食は任せるにゃ!」


 レベッカは魚捕りに張り切ってる。最初にご馳走になった魚もここで捕ったんだって。


 少し開けた場所に敷物を敷いてお茶セットを出す。今日のおやつはこの世界のパンケーキにあんこを挟んだ、なんちゃってどら焼きです。


「これも旨いが、今度はこの『きんつば』が食べたいのぅ。紙の心配が無くなったのじゃろ?」


 モフ神様の手には『味好屋』の商品パンフ。出会った時に持っていた紙袋の中に入っていたやつで、今ではモフ神様のバイブルになってる。


「確かに心配は無くなったけど、ここんとこ和菓子関係ばっか出してる気がするよ」

「まだまだ食べたいのがいっぱいあるのじゃ。最中じゃろ芋羊羹に……」

「これじゃ精霊王じゃなく和菓子王だよ…」


 呆れた私はパンフを見ながらぶつぶつ言ってるモフ神様を放っておいて湖を見渡す。

 太陽の陽を浴びてキラキラ輝く湖面を爽やかな風が吹き抜け、実に絵になる風景だわ。


「なんじゃ、早速出してくれるのか?」


『収納』から画材道具を出しているとモフ神様が聞いてきた。


「期待させて悪いけど今日の分は終了してまーす。今は純粋に絵が描きたくなったの」


 風景画なんて学生の時以来じゃないかな。

 こんな心穏やかに絵を描く事が出来るのもモフ神様のお蔭だし、明日は2回分好きな和菓子を出してあげようと思ったのでした。

閲覧ありがとうございます。

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