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俺だけ初期ジョブが魔王だったんだが。  作者: 夜明
第1章 魔王活動、始めます。
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第1章 10話 「ジョブチェンジ」

暫くすると<始まりの町>が見えてきた。人目につかないように避けて戻って来るのも疲れたので早々にルシフェルに貰ったリングを装備しようと思った。


「じゃ【大司教】探し、開始しますか」


メニューからバッグを開き【トランストリックリング】を二つ取り出した。


「ん」


「ありがとうございます!」


リリスはリングを受け取ると2人は早速装備した。サイズは自動的にフィットするようになっていた。所で、リリスニヤけてないか?


『【トランストリックリング】の効果を発動します。』


目の前に説明が出てきた。

『【トランストリックリング】は本来の職を隠し似非(えせ)の職を(まと)うことが出来るアイテムです。職業は基本職から選択でき、転職も可能です。本来の職は変わりません。はめた状態で指輪を180度回す事で効果のON/OFFを切り替えることができます。』


『職業を選択してください。』


『【剣士】【魔術師】【騎士】【武闘家】【弓使い】【銃士】【盗賊】【僧侶】....』


やっぱ多いな。リリスは何にしたのかと気になり、ふと彼女の方に振り向いた。


「私は【吟遊詩人(バード)】を選択しました。」


「え?」


意外や意外。戦闘マニアだと思っていたリリスが支援職を選ぶとは。


「レンジ様を陰ながら支えたくて...」


頬を紅く染めたリリスは上目遣いで大きな瞳をこちらに向けた。


「お前ってやつは...」


そう言いつつ内心結構嬉しかった俺はリリスの頭をくしゃくしゃと撫でた。


「んあっっ?!」


どうやら驚かせてしまった様で、間抜けな声を出したリリスの顔から大量の湯気が湧き出た。



ーーーーー

ーーー



迷った末、職業は【道化師(クラウン)】にした。【道化師】は細やかな動きが特徴で、まるで曲芸の様なスキルが魅力的だと思ったからだ。


決定を選ぶと左手人差し指にはめた【トランストリックリング】が蒼く輝いた。

リリスの右手薬指も同じ様に輝いている。

いや婚約じゃないですよリリスさん?


俺とリリスは指についたリングを回した。

そうすると直ぐに紅く光を放ち---


リリスが紫の衣装から一変、旅人のようなラフな洋服に変わっている。


「わぁレンジ様!可愛いです!」


「え?」


リリスの説明によると、右目のすぐ下には涙のペイント、左目には黒い傷が縦にペイントされているらしい。服は黒と青を基準に面積の3割程度がカラフルな色になっている。


にしても被っている黒と青の縦長い帽子に何か違和感を感じたので脱いでみると----




ばさばさばさばさっっ

うん。白い鳥が5羽くらい出ていったな。

どこに行ったんだろーね。


「....ぇふっ」


「おい?リリス?今笑ったよな?」


「い、いえ!決してそんなことは!!」


くそー。確かに、【道化師】という職業を選んでいる人を<始まりの町>で見かけていない。まさかのビジュアル面に難ありだとは。


少し長い溜息を吐き出した後、まあ白塗りじゃないのと赤い鼻が無いだけましだと自分を説得した。


ぼふんっ!という音がしたので目線を下げると鼻に赤いボールがついていたよ。俺はボールを引っ張って床に投げ付けた。投げ付けたボールは跳ねて俺の顔に攻撃した。


「...っつふふ...んふぅ...」


必死に笑いのこらえている【吟遊詩人(バード)】が1人。もう好きに笑ってくれ。


そうこうしている内に陽は沈み、空が赤みを帯びてきたので俺達は少し急ぎ足で<始まりの町>に向かう事にした。

次話から新章に突入します。

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