嗚呼…、藤島さんの晴れ姿…
※20話目です。
あーあ、あの藤村恭子さんもついに結婚しちゃうんだ。
相手はもちろん、南雄太郎さん。
いつまでも、お幸せに。
「藤島さん…、キレイ…」
私の視線は藤島さんの晴れの姿に釘付けとなっていた。
白いタキシード姿の新郎・南雄太郎さんの横に立っている新婦の藤島恭子さん。
純白のウェディング姿は写メで見たから知っていたけど…
実物をナマで見ると、その美しさに感動されちゃう。
挙式開始で2人が教会礼拝堂に入場して来た時、私の周りに座っていた女のコたちから大きな歓声が上がったのだ。
注目に値するぐらい素晴らしい衣装である。
厳かな雰囲気の中で挙式は始まっていた。
神父様が2人の前で聖書を朗読している。
皆、静かな趣きでジッと話しを聞き入る。
そんな中…
私ったら一昨日の夜以来、ずっとダークグレーの気分のままである。
今もって恋人いない寂しき女の身だから、孤独感に浸っているのだ。
何で私だけが…
何で私だけが、こんな寂しい思いをしなくちゃならないの?
…と言った、歯がゆい思いで胸がいっぱいだ。心の中で思いっきり叫んじゃう!
バーロ! 神様って不公平!
いつになったら私、あんな衣装を着れるんだろう?
もしかして、このまま彼氏いない状態、未婚のまま状態でいるのかしら?
こんなマイナス思考ばかりが頭に浮かぶ。
いっその事、この教会に爆弾仕掛けて式典中に吹っ飛ばしてやろうかなぁって、ついつい妄想めいた思いをも頭に描いてしまうのだ。
爆弾なんて、そんな物騒な物なんて持ってるワケないけどね。
ここで大声で怒鳴り散らかして暴れまくる事ぐらいは出来るかも。
ハハ…
そんな事したら即、警察行きになっちゃうけど…。




