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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第1章・ミーアゼルクの浮遊大陸
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初めてのお買い物②

俺はカイエンと2人の同行しているメイドの4人で賑わう町の中を歩いている。

町は活気に溢れ、目に映る人々は家族連れからカップル、友人同士など様々な種族の人達が老若男女問わず、子供からお年寄りまで楽しそうに行きかっている。


「へぇ~、賑わってんのな.....」

「おうっ!ここはこの大陸の中でも色んな店や娯楽が集まってるからな。休みの日とか、大抵の人はここに来るんじゃないか?」


俺のつぶやきに反応して、カイエンがそう答えてくれた。

なるほど。確かに今歩いてる通りには飲食店を含め、様々な店が並んでいる。

それを横目に見ながら俺達は目的の店まで歩いていく。


「いや~、それにしてもうちが当番の日にお出かけなんて、カイエンさんナイスタイミングっす。前回はじゃんけんで負けて悔しい思いをしたっすから、こうして今日カズキ様とお出かけなんて最高っすよ!...あっ、最高にゃ~」


嬉しそうに言葉を発するのは、俺専属のメイドさん達の最後の一人、ネルシャムリアと言う猫系獣人の女性である。名前が少し長いので、皆からはネルと呼ばれている。

長い水色の髪を風に靡かせながら嬉しそうに笑う、そんな彼女の頭の上には髪色と同じ色をした猫のような耳と、おしりからは長い毛艶の良いしっぽが生えている。耳とししっぽの先の毛は白くなっており、それを眺めていると楽しそうに耳がピコピコと動く。


「なんじゃ?お主?最近取ってつけたかのように語尾に『にゃ』をつけておるが、何か変な物でも口にしたのかや?」


昨晩のじゃんけん大会という死闘を勝ち抜いて、今日の同行者としての席を見事勝ち取ったであろうシャルミナが怪訝そうな顔でネルに尋ねる。


「失礼にゃ!これはミリア様から教えて頂いた、とても重要な作戦にゃ!」


.....オラ、嫌な予感がしてきたぞ....


「ほう?ミリア様からの作戦とな?して、それはどんな作戦なんじゃ?」


興味深々といった感じでシャルミナはネルに問いかける。


「ふっふっふ、ミリア様はおっしゃったにゃ。うち等みたいな猫系獣人は語尾に『にゃ』を付けるとカズキ様は大変喜ぶって教えてもらったにゃ。なんでも向こうで暮らしていた時のぱそこん?とやらの中に入ってたらしい、確固たる確証のある情報らしいにゃ」


母さ~んっ!?何てことを吹き込んでくれやがるんだっ!?

つかなんで母さんがそれを知ってんだよっ!!

俺のプライバシーはどこへいった!!!

突然のあまりにもな情報に俺は悶絶しそうになる。

そんな俺の肩にカイエンはそっとやさしく手を置き


「まぁ....なんだ...?人の趣味はそれぞれだからよ?俺はいいと思うぜ?」


そうサムズアップしながら言ってくる。

その温かい視線と優しい顔をやめろっ!

思わず頭を抱え込み、地面をゴロゴロと転がりたい気持ちになるが、そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、シャルミナが追撃してくる。


「なんじゃと!?ネルだけずるいではないか!こうなれば妾もミリア様に何か授けてもらえぬかお願いしてみるか.....」


やめてっ!俺のライフはもう0よっ!!

俺は更なる悲劇を回避する為に必至に口を開く。


「シャルミナ、やめてっ!俺は今のシャルミナが1番好きだなぁ!母さんから変な事吹き込まれてシャルミナが変わったら俺は悲しいだろうなぁ~!!やっぱり今のままのシャルミナが1番良いなぁ!!」


俺の必至な説得が通じたのか


「む?そうかや?カズキ様にそこまで言われると照れるのぉ....やはり妾の魅力にカズキ様はメロメロなんじゃのぉ....」


嬉しそうに頬を染め、くねくねと身悶える。

よしっ!1人封じた!この調子でネルもなんとしなければ....


「ネルも普段通りのネルが俺は1番良いと思うな!だから普通に喋ってくれると嬉しいなぁ!」


そう言うとネルは少し考えこむような仕草をみせて口を開く。


「.....わかったっす。カズキ様がそう言うなら普段通りにしゃべるっす。でも....」


そう言いながらネルは俺の耳元に口を寄せ、小声で喋る。


「2人っきりの時は語尾につけるにゃ?」

「是非お願いします!」


思わず即答してしまった.....

くっ....正直な自分が憎いっ!


そんな俺達のやりとりを呆れた顔で見ながら


「それよりも早く行こうぜ」


そんなカイエンの言葉に乗っかり俺達は再び目的の店に向かって足を動かし始める。

....他の3人も変な事吹き込まれてないよな?

不安になった俺は、戻ったらしっかりと確認しようと決意する。


再び歩き始めてから数分、俺はカイエンに気になる事を聞いてみた。


「そういえば、カイエンは何を贈るか決めてるのか?種族的に送る物とか決まってたりとかあるのか?俺、その辺りの事全然知らないんだけど?」

「ん?俺は子供用の服を贈るつもりだぜ?特に変わった決まりとかはなかったと思うから、カズキの好きな物でいいんじゃねーか?」


ふむ...そんなものなのか。ならどうしようか?

ここはやはり、無難に赤ちゃん用のおもちゃとかか?

何をを贈ろうと悩んでいる内に、どうやら目的の場所に着いたらしい。


「おっ、ここだ!じゃあ予定通りここからは別行動で、後で合流って事でいいか?」

「了解。場所はこの近くの公園だっけ?」

「そうそう!んじゃ、また後でなっ!」


そう言ってカイエンは店の中に消えて行った。


「じゃあ、俺達も行こうか。子供用のおもちゃを贈ろうと思うんだけどそこでいいかな?」

「うむ、大丈夫じゃろう」

「了解っす。大丈夫だと思うっす」


そう短く会話し、お目当てのおもちゃが売ってる場所まで移動していく。

しかし広いな。見た感じ、日本の大型ショッピングモールみたいな感じだな....

こういうのを見ると、異世界に来たって実感は正直あんまり湧かんよなぁ....

そんな事を思いつつ、目的の場所まで色々な所を冷やかしながら歩く。

目的のおもちゃが売っている場所に着き、目当てのおもちゃを物色する。

う~ん、出来ればガラガラみたいなのがあればいいんだが、あるかな?


お目当ての物は割とすぐに見つかった。

ガラガラだけでなく赤ちゃんの頭上に吊り下げてくるくる回ってあやすような物まである。

俺はガラガラを手に取って確かめてみる。

おお、思ってた以上に軽いな。さすがにプラスチックじゃないみたいだけど何で出来てるんだろう?金属か?それにしては軽すぎるな.....

不思議な材質で出来たガラガラを手に一人考える。

手に取ったガラガラは赤ちゃんが口に入れたり、手にもって振り回しても安全なように角が無く、丸くなっている。

うん、これでいいかな。

そう決めて、お会計を済ます。

ここでは地上と同じ通貨を使用しているので支払いはまだ少し慣れない。

俺は会計口で銀貨5枚を支払うと売り場の外にでると、俺とは別口でメイド達からとしての贈り物を買いに行っていた2人が既に待っていた。


「おまたせ。俺の方は終わったよ。2人は何かいい物買えた?」

「うむ、こっちも無事に購入できたのじゃ」

「そうっす。うちらはベビーベッドを購入したっす」

「へぇ、よさそうだね。喜んでもらえると嬉しいね。じゃあそろそろ公園にでもいく?」


買い物も終わり、待ち合わせ場所である公園に向かおうとする俺に、シャルミナが待ったをかける。


「カズキ様。ジン様やミリア様にお土産を買わないで大丈夫なんじゃろうか?最近あんまり相手をしておられぬのじゃろう?ジン様はともかく、ミリア様が拗ねるのではないのかや?」


その言葉に俺は歩を止める。

確かに最近あんまり相手してないな.....母さんが拗ねるのが容易に目に浮かぶ....

シャルミナの言う通り、ここは一つお土産でご機嫌でも取っておこう。

そんなナイスな発言を受け、俺は母さん用にティーカップセットと親父用に湯飲みを購入して店を出るのであった。


公園に着き、辺りを見渡すがカイエンはまだ来ていないようだ。

近くのベンチに腰を掛け、待つこと数分、カイエンはすぐにやってきた。


「わりぃわりぃ!母ちゃんから頼まれてた物買ってたら遅くなった!」

「いやいや、全然待ってないから平気だよ」


この後はどうする?

そう言いかけた俺の耳に、ワァァァァァァッ!!っと大歓声が耳に入ってきた。

俺はそちらを振り向くと、何やらデカい闘技場のような物が建っている。

どうやら歓声はそこから聞こえてきたようだ。


「ああ、バトルカルタの試合をやってんだな。今日は公式ランカー戦だから結構盛り上がってるみてーだな!」


バトルカルタ?なんぞそれ??


「ああ、なんでもジン様のいた世界にあったカルタって競技らしいぞ?ジン様から説明を聞いて再現してみたのが始まりらしいぜ?今じゃかなり人気の競技だな!」


今度は親父かよっ!!

2人は頼むから俺の心に優しい行動を心がけてくれよっ!!

なんでカルタなのにバトルって付いてるんだよっ!

いや、確かにに競い合うから間違ってはないんだろうけど、でもきっとバトルの意味が違う気がするよ!

バチバチの戦闘の方の意味だよ!絶対っ!!


「おお、そういえば今日の試合はミラーカが出場するとか言うておったのぉ。せっかくじゃから皆で応援にでもいかんかや?」


そんなシャルミナの言葉に更に驚く。

えっ!?ミラーカってそんな怪し気な競技に参加してたの!?

くそっ....見たくない気もするけど....もの凄く気になる.....

そんな俺の葛藤を他所に、皆で応援に行く事がきまった。



.....とりあえず親父は、日本のカルタを嗜んでる方々に謝っておけよっ!!

~キャラ設定メモ⑨~

本名:シャルミナ・ヴィエ・ライクニフ

種族:魔族

性別:女

身長・体重:135cm・36kg

年齢:????歳

好きな食べ物:チョコレートパフェ・ホットケーキ

嫌いな食べ物:納豆

戦闘スタイル:中衛万能タイプ、魔法が得意で主武器は槍。

容姿:紫髪のボブカット、その左右からは立派な巻き角が生えている。黄色の瞳と褐色の肌をしており、背中からは蝙蝠のような羽が生えているが、普段は消している。

性格・その他:ヒロインの一人、のじゃロリ系。

漫画が大好きで、実はその口調は漫画の影響を受け、少しでも威厳があるように見せる為にわざわざ変えている。本来の口調は可愛らしい見た目に合った口調で、焦るとたまに口調が戻る。

他の保護されてるメンバーとは少し事情が違い、彼女は昔、とある国で魔族をまとめる魔王として長く活躍していたのだが、ある日突然部下でもある弟に魔王の座を押し付け、国を飛び出す。

その途中でたまたまあった陣に出会い、そのまま陣に付いて着た。

その実力は高く、アリアエルに匹敵する力を持ち、婆扱いされると切れる。

若手の育成が好きで、成長を見るのがなによりの楽しみにしている事も年寄り臭い1つである。

特にフェチなどはない。

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