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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第1章・ミーアゼルクの浮遊大陸
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バトルカルタ・ミラーカの死闘

さくっと1話で流す予定だったのですが、思わず筆が載ってしまった....

『バトルカルタ』


その昔、陣の


『お互いが向き合ってな、出題者がお題を読み上げて、それを両者でスパーンと激しく戦って札を取り合う競技だ!』


という、適当な理由から生まれた、カルタが魔改造された競技である。

細かいルール等も色々あるらしいのだが、大まかなルールは

・リングの対角の開始位置に待機し、開始の合図と同時に中央の札を先に取った方の1本

・1試合5戦で3本先取した方の勝利

・札を取るには相手に有効打を入れなくてはならない

・出題者により、毎回バトルフィールドが変化する

・あくまでも競技なので観客を意識した戦闘を心がける事

大体この5つを守ってれば特に問題はないらしい。

俺はそれを聞いた時に

え?それ札取り合う意味ある?普通に武道大会とかでいいんじゃね?

とか正直思ったのだが、そっちはそっちで別に大会があるらしい。

この辺りの感性に共感できないのは俺がまだまだこっちの常識に慣れてないせいなのだろう。

ちなみに前期の1の月~6の月の末までポイント戦を行い、その上位10名がランカーと呼ばれるらしい。

ランカーは1位から順にチャンピオンへの挑戦権が与えられ、勝てばその人が新チャンピオンなのだとか。

試合日程日は特に決まっておらず、お互い合意の日に行われるので毎年時期はバラバラみたいだ。


会場に着くと、中は興奮と熱気に包まれていた。

中央にバカでかいリングがあり、それを挟んで南北に分かれて客席が設けられて、客席最前列の少し前、中央の先端部分が少し広く飛び出した形状になっており、そこに実況や解説のような人達が座っている。

さすがに野球のドームのように、何万人も収容できるみたいな作りにはなってないみたいだが、南北に5000人ずつぐらい、計1万人ぐらいの規模はありそうだ。

流石に満席って訳じゃないんだな。それでも凄い歓声だけど....


俺達が空いてる席に座りしばらくすると、試合経過を聞きにいってくれていたネルが戻ってきた。


「おまたせっす。丁度さっき試合が終わったらしくて次が最後のメイン試合みたいっす。ミラーカはこれに出るみたいっすから、なんとか間に合ったみたいっすね」


そう言いながら、途中で買ってきてくれていた飲み物を受け取る。

しばらくすると、実況らしき人の声が会場に響く。


『さぁ皆さま!大変お待たせしました!いよいよ次が本日最後の試合、メインバトルだぁぁぁぁ!!』


歓声が一際大きくなる。

おぉ、マイクみたいな声を拡張する魔道具みたいな物もあるのか。

俺が小さく驚いている中、実況の人の進行は進む。


『さぁ、まずは選手入場です!西入場口から登場するのはこの人だっ!ヴァンパイア族の気高き姫、ミラーカ選手の入場だぁぁぁぁぁ!!』


その実況の声で観客はますますヒートアップしていく。

そんな中、西にある入場口からはミラーカが姿を現す。

いつも通りに金髪をサイドテールに纏めているが、今日はメイド服ではない。

漆黒のマントを羽織り、黒い豪華なドレスを身に纏っている。

ミラーカが中央のリングに向かい歩く中、一際大きな声援をおくる一団があった。


「姫さま~っ!頑張ってくださ~い!」

「姫様-っ!ファイトですぞーっ!!」

「姫さまー!負けないでくださーいっ!!」

「姫様~!爺は早く姫様の御子を抱きたいですぞーっ!!」


どうやらヴァンパイア族の一団がミラーカの応援に駆けつけてるみたいだ。

あと、最後の爺、それは俺にも地味に効くからやめろ。

ミラーカはその一族の声援に気が付いたのか、歩きながらも拳をグッと握り、そのまま腕を高々と突き上げて笑顔で応えていた。


『さぁ、登場しましたこのミラーカ選手、今期の成績は第8位、初のランカーにランクインし見事にチャンピオンへの挑戦権をもぎ取りました!どんな戦いを見せてくれるのかとても楽しみですね!』

『そうですね。ミラーカ選手は今年になって、かなり実力を伸ばしていますからね。彼女がチャンピオン相手にどこまで戦えるのか、私も楽しみですね~』


実況と解説の会話の中、ミラーカはリング端にある開始位置に上る。

ミラーカはやる気十分といった顔でリング中央を見つめている。


『さぁ!続いて東入場口から登場するのはこの人だぁぁぁぁ!!その正体は女性という事以外は誰にも分からない!だが、このバトルカルタが始まって以来1敗どころか1本すら取られた事のない不敗伝説の持ち主!謎の絶対王者!カズキサマラブ仮面の入場だぁぁぁぁ!!』


ブフーッ!!!


俺は思わず飲んでいた飲み物を吹き出した。

おいっ!誰だよ、そんな頭悪いリングネームな奴はっ!!

俺が内心ツッコんでいると、東開始位置の頭上に光が集まり始めた。

光は空中で激しく輝きを増し、弾けるとそこには5対10枚の翼を持つ、見知った人物が変な仮面を装着し、地面にフワリと着地した。


どっからどー見てもアリアじゃねーかっ!!

頭の悪いリングネームを付けていたのが自分の物凄く身近な人物だという事実に頭を抱える俺をよそに話は進む。


『さぁ、ついに登場しました!この絶対王者の登場にファンも盛り上がっていますね~!』

『それはそうでしょう。正体は謎ですがその実力は本物です。このバトルカルタの歴史の中でもまさに生きる伝説と呼ぶに相応しい成績を収めてきてますからね。ファンの中でも正体は一体誰なのかと色々噂も多いですしね。今年からリングネームを突然変えてきたのにも驚きましたね』

『そうですねー。今年の後半から何故か突然、ミリアサマスウハイ仮面からカズキサマラブ仮面に変更してきた時は驚きましたね~!』


おいっ!もっとマシな名前はいくらでもあるだろうがっ!


そんな実況と解説の会話の中、俺の横からポツリと声が聞こえた。



「なにをやっとるんじゃ?あやつ....」


シャルミナはどうやらアリアだという事に気が付いているらしく呆れ顔だ。

俺はシャルミナに小声で話しかける。


「なぁ....あんなに分かりやすいのに皆アリアだって気付いてないみたいなんだけど...なんで?」

「それはあやつの装備しとる仮面のせいじゃな。アレが認識阻害の効果を出しておるから、余程実力の近い者のしかバレる事はないじゃろうな」

「いや、俺は普通に気づいたんだけど....」

「それは当然じゃろうな。アレの力の源はたぶんミリア様のお力じゃ。そもそもあそこまで高性能な魔道具なぞ、妾は見た事すらないわ。じゃから息子であるカズキ様には効果が薄いんじゃろうて」


そうかぁ....あの変な仮面を作ったのは多分だけど、母さんなのかぁ....

俺は思わず白目を向きそうになる。

それにしてもサラっと言ってたけど、シャルミナってアリア並に強いって事だよな?

うーむ、やはり元魔王というのは伊達じゃないって事か。

そんな中、進行は着々進む。


『さぁ、最初のお題フィールドが決まりました!最初は荒野ステージだぁぁぁ!!』

『身を隠せる場所が多いので、相手の隙をどう巧く付くか。両者の戦い方に注目ですね』

『試合開始まで、5、4、3、2、1.....スタートだぁぁぁぁ!!今大事な1本目の戦いが始まりました!ここから両者、どのように動いていくのか注目しましょう!』

『ええ、とても楽しみですね』


お題の人がなにやら箱の中からボールみたいなのを1つ引くと、中央のリングが岩が多めの荒野に変わり、試合が開始される。

俺はミラーカに頑張れ!と内心応援しながら試合の行方を眺めた。


「先手必勝っ!行くよっ!!」


ミラーカは開始と同時に一直線に走り、距離を詰める。


「アイシクルバレットっ!!」


ミラーカの声と同時にアリアの周囲に無数の氷の塊浮き、それが一斉にアリアに向かっていく。

アリアの周囲360度に氷の塊は迫ってきており、逃げ道はない。

しかしアリアは微動だにせず、当たる直前に軽く手を払うだけで周囲の氷は全て粉となり消えた。

それを見たミラーカは素早く距離を取り、周囲の岩場に身を潜める。


『なんと!?カズキラブ仮面選手、ミラーカ選手の大規模な氷魔法を腕一本でかき消してしまったぁぁぁ!』

『ええ、相変わらずカズキラブ仮面選手には驚かされますね。しかしミラーカ選手もまずは様子見と言った感じでしょう』


....その名前、あんまり連呼しないでくれる?


ミラーカは決定打にはならくても、牽制ぐらいにはなると踏んでいたのだろう。

それが全く意味すら持たなかったのだ。

一度距離を置き、態勢を立て直すのは正しい。


「ふむ、こんなものですか?この程度であれば、正直期待外れもいいところですね」


そんなミラーカを見て、アリアはワザと煽るような口調で語る。

多分挑発なのだろう。

ミラーカはその言葉に乗る事なく、冷静に次の行動へ移した。

岩陰を上手く使い、見事にアリアの側面に移動すると威力を込めた魔法は放つ。

今度は手数ではなく、威力で勝負するようだ。


「フレイム、ドラゴンッ!!」


巨大な炎が龍の形となって、その顎がアリアに迫る。

それを見たアリアはスッと両手上げ、龍に向けて突き出した。

ん?なんか両手に魔力を纏ってる?

アリアはそのまま炎の顎に腕を突っ込むと、引き裂くような動作で腕を上下に広げた。


『なんとなんとっ!?カズキサマラブ仮面選手、今度は魔法を素手で引き裂いてしまったぁぁ!!』

『これは驚きましたね。今の一撃はミラーカ選手にとっても会心の攻撃でしょう。それをいとも簡単に素手だけで防いでしまうとは....これにはミラーカ選手も少し動揺が伺えますね』


魔法をかき消した後、アリアの両手は炎を纏っていたが、グッと拳を握るとその炎もかき消えた。


「....今のは僕も結構本気だったんだけどな....ちょっとショックだよ....」


想像以上に実力差があったのかミラーカは少し動揺する。


「今の攻撃は中々でした。では、次はこちらからいきますよ」


その隙をアリアは見逃す事なく攻撃に転じる。


「ホーリーランス」


片手を空に向け上げると、アリアの掛け声と共に無数の光の槍が浮かび、その腕を振り下ろした。

物凄い数の光の槍が一斉にミラーカに高速で向かっていく。

岩陰に隠れても岩ごと砕いてくるので隠れても意味はない。

ミラーカは攻撃を躱す為に、必至でリング状を駆け回が全ては躱しきれていないのか、徐々に傷を負っていく。

そんな中、アリアは追撃を掛ける。

ホーリーランスで攻撃を継続させながら、残った方の腕を地面に向ける。


「アースウォール....バレット」


アリアの詠唱と共にミラーカを囲むように土が盛り上がって壁となりその壁の側面から、ミラーカに向かって岩の塊が発射される。


「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


巻き起こる激しい土煙の中、ミラーカの叫び声が聞こえた。


『決まったぁぁぁぁ!!カズキサマラブ仮面選手の攻撃がミラーカ選手にクリーンヒットだぁぁぁ!!これはミラーカ選手立てるでしょうか!?』

『これは凄まじいですね。ホーリーランスでミラーカ選手を追い詰め、逃げ道を塞いだ所に綺麗に叩き込みましたね。しかも魔法を同時に3つも発動させるという、超高等テクニックを披露してくれましたね』


攻撃が止み、観客の激しい声援の中、ミラーカの応援団は必至で声を出す。


「姫さまーっ!負けないでっ!!」

「姫様の強さはこんなもんじゃないって信じてますっ!!」

「そうだ!俺達の姫様がこれぐらいで負けるもんかっ!姫さまーっ!!」

「姫様~!爺は信じておりますぞ~!最初は女の子がいいですな!!」


.....おい、爺っ!いい加減にしろっ!!


土煙が晴れる中、そんな声援が届いたのか、ミラーカはゆっくりと身体を起こす。

相当ダメージを受けたのか、身体はボロボロで血塗れだ。

フラフラで今にも倒れそうだが、その瞳は死んでおらず、アリアを鋭く射貫くとミラーカ吠えた。


「ま....まだだよっ!僕はまだ諦めるもんかっ!!僕を応援してくれている一族や仲間の皆の為に....僕を強く鍛えてくれたシャル姐やアリア様の為にも、僕は諦める訳にはいかないんだーっ!!」


いやっ....今ミラーカが戦ってるの、そのアリアだからね?

俺の横ではシャルミナが感極まったのか、目に溢れんばかりの涙を溜めて、必至に声援を送っていた。


「よい気迫です。貴女のその姿を見て、皆はきっと誇りに思う事でしょう。さぁ、かかってきなさい!」


アリアはミラーカに軽く賛辞を贈ると続きを促した。

ミラーカの意地と誇りを掛けた第2ラウンドの幕が、今上がろうとしていた。


.....頑張れ、ミラーカっ!!


俺はこの熱く盛り上がる試合の行方を、固唾を飲んで見守るのであった。

~キャラ設定メモ⑩~

本名:ネルシャムリア

種族:獣人(猫系)

性別:女

身長・体重:160cm。50kg

年齢:25歳

好きな食べ物:魚系料理

嫌いな食べ物:苦い物、辛い物

戦闘スタイル:正面からの戦闘は苦手な隠密スタイル

容姿:水色の髪。猫耳と細長いしっぽを持つ。耳としっぽの毛の先は少し白い。着やせするタイプで実はミラーカより胸は大きいがリロロには及ばない。

性格・その他:ヒロインの一人。性格は明るくひょうきんで割と思った事を口にするタイプ。下っ端口調が特徴。

メイドの前は地上で情報収集班として4人グループで活動しており、口調はその時の名残で癖になってしまっている。

実はリロロを救ったのは彼女の所属していた班であり、リロロを実の妹のように可愛がっている。

趣味は日当たりの良い所で、日向ぼっこをしながら昼寝する事で、休みの日はお気に入りの場所で昼寝をしている事が多い。ほとんどの人からはネルと愛称で呼ばれている。

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