第六話
宿場通りに来ると、そこは武装した傭兵や商人で賑わっていた。
とりあえず暗くなる前に宿を確保しないと。
俺は丁度良さそうな宿がないか周りを見ながら歩いていると大人と子供の間くらいの少女が近づいてきた。
「お兄さん方宿をお探しですか?良かったらウチの宿見ていきません?料理は絶品ですよ!」
まぁ何処でもいいからとりあえず見に行くか。
俺はそのまま宿の前まで案内された。
そこは外観は周りと大差ない感じだった。
少女は扉を開けると中からとても美味しそうな匂いがこっちまで香ってきた。
「いらっしゃいませ!【子豚の宿】
へ!」
恰幅の良い女性が出迎えてくれる。
恐らくこの女性が少女の母なのだろう。
「お母さん!お客さん連れてきたよ」
「あらあら!お客さん、娘は無理矢理じゃなかったでしょうか?」
「いや、全然大丈夫でしたよ」
とりあえず良さそうな人で良かった。
料理も美味しそうだしここで良いかな。
「とりあえず10日ほど泊まらせてくれ」
「はい、10日ですね。朝と夜の御飯付きだと1000ディア程です。無しだと800ディア程ですが、どうしますか?」
「じゃあ御飯付きで」
「かしこまりました。先払いですので、1000ディアです。」
俺はそこまで言われたところである事に気がついた。
俺お金持ってねぇわ…
俺はチラリとシュヴァルツを見ると、シュヴァルツは全て分かりましたという様な顔をして懐から銀貨を5枚取り出し、カウンターに出す。
ナイスだ!やはり悪魔を召喚して正解だった。俺はそのまま鍵を受け取り部屋の場所へ向かう。
部屋は二階の一番奥のところだった。
部屋の中はベッドと魔法ランプと机が置かれている。極めて一般的なものだった。
だが、手入れはしっかりとしているのか汚れはほとんど見つからないし、ベッドはふかふかとして気持ちが良かった。
やはりここの宿にして良かったな。
そういえばシュヴァルツは一緒に入って来るのかと思ったら、外で待機しておりますと言って、部屋に入って来なかった。
執事らしいというか、なんか距離があるみたいで少し寂しいな。
俺は今後の予定を考えながらベッドに腰掛けた。
是非改善点や感想をお願いします。