幼馴染の目覚め
今、俺は病院にいる。喜ばしいことに海香が目を覚ました。
今まで海香は意識不明の状態が続き、いつ目を覚ますかが医者にもわからなかった。
先日、病院の方から意識が戻ったという電話を受け、今日おじさんたちと一緒に病院に向かった。
病室の扉を開けると、海香が俺たちに気付いたのか微笑ましい笑顔で俺たちを見ていた。
「海香、もう大丈夫か?」
おじさんは涙を流しながら海香が無事に元気な姿をしているのに安堵していた。
俺もそうだ。一時は意識不明の状態が続いていたから心配していた。
もし、海香がこのまま目を覚まさなかったらと考えるだけで俺の心は不安に満ちることになっていただろう。
「お父さん、心配してくれてありがとう。もう大丈夫だよ」
海香は簡単にこんなことを言うが、俺が入院して退院した5ヶ月+1ヶ月の時間ずっと意識のない状態が続いていた。
その間おじさんは毎晩毎晩海香が眠っていた特別室に足を運んでいた。
俺も週末に見舞いに行っていたが、海香はずっと眠っていたので会話をすることもできず、じっと海香顔を見ることしかできなかった。
「海香本当に大丈夫か?」
元々病弱だった海香を俺のせいでこのような結果を招いたことに後悔している。
だが、意識を取り戻して今話せていることになぜか嬉しい感情が出てきている。
「もう大丈夫だよ。心配……してくれたんだね」
そう言うと海香を少し疲れた顔をしていた。
「海香、無理する必要はないから休んでなさい」
「そうだよ、今目を覚ましたばかりだから無理するな」
と二人で無理やり海香を寝かせ、また来ると言って病室を出た。
「おじさん、海香無理していたみたいだね」
「そうだね。昔からあの子は私たちに元気であることを示していたからねぇ」
確かに海香は外に出ることができなかったが、できるだけ両親を心配させないためと明るく振りまいていた。
「6ヶ月も意識が戻らなかったからかなり衰弱している」
そう海香は事故前と比べて、かなり衰弱していた。
筋肉も落ち、顔がやつれていた。
それでも明るく話していたのを思い出すと目から涙が溢れてきた。
そして、病院を出て車に乗ったところで大声で泣いてしまった。
普段泣くことがない俺が泣いていた。
長かった。海香が目を覚ます6ヶ月俺がどれだけ心配してきたか。
わかる人はおじさんたちだけだ。
そして、俺が泣きやむまでおじさんは車の外で待っててくれた。
更新が遅れてしまい申し訳ない