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復讐の準備②

俺はお爺ちゃんとお婆ちゃんのもとで生活していた。


両親は一度も見たことない。


いや、見ることすらできなかった。


なぜなら俺は捨て子。


お爺ちゃんとお婆ちゃんの朝の日課である散歩コースで、赤ん坊の俺を見つけてくれた。


二人とも最初は驚き、近くに両親がいないかと探したほどだ。


しかし、親の姿もなく、俺は急に泣き始めたらしく、お婆ちゃんは俺をあやして家に連れて帰った。


そして、お爺ちゃんとお婆ちゃんは一生懸命俺の両親を捜したが、まったく情報がなく、二人は最終的に俺を育てる決心をした。


それからは、平和な暮らしが続いた。


お爺ちゃんとお婆ちゃんは子宝に恵まれなかったのか、俺を大事に育ててくれた。


近くに公園で一人で遊んでいたら後ろから志乃舞が声をかけてきた。


「あなたいつも一人?」


俺は少しビクッとなりゆっくりと後ろを見た。


「う……うん」


俺はこんなにかわいい女の子が俺に話しかけてきたことが今でも夢みたいだった。


「私と一緒に遊ばない?」


「いいよ」


それからは志乃舞と一緒に遊ぶ日が多くなった。

今まではお爺ちゃんとお婆ちゃんと遊んでいたが、同世代の子と遊ぶのもまた楽しかった。

そして、海香の存在を志乃舞から聞いて、3人で遊ぶようになった。





俺が小学生になったころ、お爺ちゃんとお婆ちゃんが亡くなった。


俺はすごく悲しんだ。


今まで育ててくれた人を同時に無くしてしまったから。


葬式後、近くに親せきの家に引き取られるが、まさか隣の家が志乃舞の家だったとは思わなかった。









(今となっちゃ~懐かしい)


昔のことを思い出しながら部屋でトレーニングしている。

現在は、海香の家で居候している。

海香の叔父さんが無理やり俺を家に連れて、ここで暮らしなさいと言ったから


(それにしても、俺が海香の双子の兄だって)


信じられないことだった。

いきなりおじさんが俺に言った。


「君は海香の双子の兄かもしれない」


「叔父さん、いきなり何変なことを言わないでください」


俺は叔父さんが気でも狂ったかと思った。

俺は確かに捨て子だ。

だからと言ってここで本当の両親登場はおかしい。

ホントにそうだとしたら憎んで殺してしまうかもしれない。


「叔父さん、俺はその双子の兄なんかじゃない」


「そ……そうだな。そんなわけないか」


叔父さんは何かと勘違いしていたのかもしれない。


「まぁ、それもともかくこの家で生活しなさい、家に戻ったところで家事や洗濯はどうするね?」


確かに今の家はカップめんと脱ぎ散らかった服の山になっている。


「こちらこそお願いします」


ここは素直に受け取った方がいいと思った。


「そうか、ならいつでも困ったことがなんでも言いなさい」


そう言って叔父さんはリビングの方に向かって、部屋を出た。

俺は、ベットの上に仰向けになって今後のことを考えた。


(まずは情報収集だ志乃舞の居場所を突き止めないと)


志乃舞は引っ越しして何処にいるかわからない状態だ。

そうこう考えながら自分のお腹を見た。


(こんな脂肪じゃ駄目だな)


俺の今の体型はデブではないが少しぽっちゃりしていた。

そこで、最初は腕立てと腹筋を始めた。

それを3セット50回した。

それだけやって息が上がる。


(だいぶ体力落ちたなぁ)


だが、これを簡単にしないといけない

そう考えていくうちに疲れが出たせいか、すぐに睡魔がやって来てその場で寝てしまった。

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