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追放賢者ジーンの、知識チート開拓記  作者: あけちともあき
ナオの冒険

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その3 ナオ、お化粧をされる

書籍の口絵由来のお話です。

ワイルドエルフの戦化粧をしてもらう、ナオの話。

「うちに滞在するなら、これをやらなきゃ嘘でしょ」


 そう言いながら、シーアが何か持ってきました。

 あれは何かな?

 乳鉢かな?

 師匠がよく、「新しいゴーレムの材料を試験する」って言って、これで色々な素材をごりごり潰していたのを覚えています。

 他は、確か実験に使ったのと同じ乳鉢で、料理に使うスパイスを混ぜてたような。


「それで何をするの?」


「お化粧の液を作るの。ナオも、私たちが顔にお化粧書いてるの見たでしょ」


 お化粧……。

 確かにワイルドエルフの人たちは、額や頬、鼻の頭に模様を書いていることが多いです。


「してた! あれは、先輩が戦化粧だって言ってたんですけど」


「戦は関係ないかなー。なんていうか、おまじないみたいなものなのよ」


 シーアは乳鉢の中に、青や緑、赤い石を放り込みます。

 これを、ごりごりっとすりつぶしていきました。

 カラフルな石が混じり合って、なんとも言えない不思議な色が出てきます。


「血気盛んな人は赤。そうした方が、呼びかける精霊の中でも、活発なものを呼び寄せられるからって。で、大人しい人は青。私がよくつけてる色だね」


「大人しい……」


 じーっとシーアを見ると、彼女は「なによー」とむくれてみせました。

 それから、くすくす笑い出します。


「大人しいって言うのはあれだけど、ほら。兄さんは赤いお化粧をしてるけど、いつも凄く好戦的な感じでしょ? お化粧に含まれる成分が、付けた人の気持をそう言うふうに変えるんだって言われてるの」


「へえー! 興奮作用があるのかもですね! じゃあ、トーガさんって実は……」


「兄さんは素であんな性格」


「えぇ……」


 特にお化粧関係ないじゃないですか。


「私は割と効果あってね、私って、戦ったりするのすごく怖いんだけど、お化粧をするとなんとかいける感じ。ナオの言う通り、興奮させるっていうか、気持ちを強くする効果があるのかも?」


 そう言いながら、乳棒を操っていたシーアの手が止まりました。

 完成かな?

 そこには、紫色をした目の細かい粉末ができあがっていました。


「これは、ワイルドエルフの人たちがつけてるの、見たことがない色なんですけど」


「ふふふ、私のオリジナル。ジーンに影響されて、私たちワイルドエルフも、研究っていうのをしたりするようになってるんだよ」


「先輩の!」


 そう聞くと、なんだか誇らしい気持ちになってきます。

 千年近く生きるワイルドエルフは、自分から何かを作ったり、変えていこうという気持ちが弱い種族です。

 だから、彼らの暮らしも千年前と何も変わっていないんだそうです。

 でも、シーアみたいな子が増えたら、ちょっとずつワイルドエルフの生活も変わっていくのかもなと思います。

 それがいいことか悪いことかは別にして。


「はーい、ナオのお顔を貸してねー」


「顔は貸せませーん」


 そんなやりとりをしながら、シーアにお化粧をしてもらうことに。

 顔に触られると、思わず目を閉じちゃったりするものです。

 っていうことで、わたしはぎゅーっと目を閉じたまま、顔に何かを塗り塗りされてしまいました。


 お化粧は、思ったよりも短時間で終わったみたい。


「目を開けてー」


 シーアの言う通り、パッと目を開いたら。

 目の前に、鏡がありました。


「じゃーん」


「おおー」


 鏡の中わたしは、ほっぺたに青いお化粧がされてるようで、うーん、ワイルド。

 ……青い?

 乳鉢の中の粉はピンク色だったような。


「あ、ナオ、私と同じだ」


「あれ? 色変わりました?」


「そうみたい。付けた人の精霊力が強いと、それに反応して色が変わることがあるんだよね、このお化粧。私はいつも、青くなっちゃう」


「そうだったんですか……! じゃあ、素材とか関係ないんじゃ」


「精霊力が薄い人だと、そのままの色になるの。ジーンがつけたら、多分ピンクのままだよ」


「あー、先輩、魔力が薄いですもんねえ。魔力を使わないで、どうやって手乗り図書館を作ったんだろう」


 ひょんな事から、けっこう重要そうな疑問が湧いてきました!!

 気になる、気になる……!


「さあナオ、みんなに見せに行こ! このお化粧をしたら、もう私たちの仲間だよー」


「ええ、そうなんですか!? なるほど、お化粧には集落の団結心を高める役割が……」


「メモは後! あんまりメモしてると、ジーンみたいに眉間にシワができちゃうよ」


「それはちょっと困ります!」


 私はメモを置いて、広場に行くことにしました。

 お世話係の子供たちがやって来て、私の顔を見てわーっとはしゃぎます。


「ピンクの髪が、試練の民になった!」


「青い色のお化粧! 守り手かー! なっとくー」


「風と地の子とお揃いだねえ」


 最後に聞いたことがないワードが。


「風と地の子?」


「私、私。あんまり本名で呼び合わないって言ったでしょ。だから、見た目か、特に優れた力を持っている人は、能力の呼び名をもらうの。ジーンだって、魔狼を手懐けた者とか、神を倒した者って言われてたでしょ」


「なっとく……!」


 思わずメモをしそうになって、それは宿に置いてきたことを思い出します。

 むむー!

 何かお喋りをするだけで、すごい情報量なのに。

 落ち着きません!

 わたしもどこでもメモできる、手乗り図書館ほしいなあ……!

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