前へ目次 次へ PR 99/108 蝶々 「オカマのかみそり」 アケミさんと云うお姉さんアキラさんはその店の常連客だった。仕事に恋に悩む年頃だった私はしばしば相談に乗ってもらった。投げやりになっていた私を叱って、励ましてくれた時の言葉がこれだ。 朝昼晩、オカマは地道に髭を剃る。何事もコツコツ頑張らなくちゃあ成りたい自分には成れない、と。これは小説にも当て嵌まる。少しずつでも良いから推敲して余分な文章を削ったり、物足りない場面には思い切って真っ赤なルージュを引いてみたり。