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私小説
私がこの「小説家を書こう」のサイトを利用し始めて、丁度一年が過ぎた。その間、様々に小説家のことを考え、また他の方の小説家を拝読してみて、分かった事がある。それは、皆ワンパターンの小説家をしか書かぬ事だった。
なぜなら、このサイトが「小説家になろう」だったからだ。であるからして、皆々様方の書き記し置くところの品物は、小説家ではなく小説であったのだ。
大正昭和に「小説になろう」が流行ったらしい。芥川はそれは欺瞞だと言って「小説を書こう」と呼び掛けた。「小説を書こう」はやがて「小説家になろう」となる。
さてここに「小説家を書こう」などとのたまう河童のある時、人は「小説家を書こう」と「小説になろう」の区別がつくだろうか、
「私は小説だ」
「私が書いた小説だ」
「私は小説家だ」
「小説家が小説を書く」




