29、観
私は、男女の恋愛の具体的な部分になんら面白味を感じない種類の人間で、それは不信心で不謹慎なものだが、しかし一面で人ひとりの頭脳に住む理想男性と理想女性との恋物語には興味を持っている。
題名や舞台やストーリーが変わっても、作者が同じなら登場する男女のパターンがほぼ同じになる。風に吹かれる女性とメカニックな男性だとか、我の強い女性と越境した男性とか、口八丁の男達と「いつまでイチャイチャしてんだ、さっさと殴り合えよ」とぶち切れる女性とか。
理想かぁ? とも思えるけど自然に出て来て私には想定できなかった男女関係である。宮崎、細田、板垣のことだ。
彼女の考える自然女性はたぶん彼女自身かまたは彼女の努力目標であり、自然男性は私へ向ける笑顔と目の吊り上がりだろう。屁の出るのは仕方ない事だと思う。
こんな言い方はどうだろう、人の心に住む自然作者と自然読者。想定する人格や知性の頻出値。読者は結局こんなキャラが好きなんでしょ、って読者の上限を押さえる人が居たり、作者なんだからそのくらいは頑張って下さいよ、って下限を決めたり。
作者と読者が小説を挟んで思弁する物語をおのおの書かせれば、人生観がわかるのだろうか。作者の自然な想念から、ターゲットの客層を明確化して、技巧を練ってみてはどうかと云う提案だ。
まぁ現実は読者像ではなくて、作者像から相手にする客を選り好みするんだろう。プロの小説家になるにはキモオタから金を巻き上げなくちゃ、とか芸術家キリッ、と息巻くのではなく、自然に付き合える読者を対象に技芸を磨いてはと云う提案だ。
僕の理想の女性、自然な読者は、大阪弁のあほ女ってこと、なのか?
コレガ・・・ボク・・・・・・? 嘘だッ!!! ウチがアンタで、アンタはウチやねん。嘘だ。ホンマやで。嘘やぁぁぁ!!! ジブン、オモロいなぁ。自分は自分だろ、ボクはボクだ、アンタがジブンやで、ウチはウチやんか、ワレはオノレのことをジブンて言わんのけ、せやでえ、チャウ、違わん、チャウチャウチャウチャウ、あんたアホぉ? 真似すんなや、何のぉ?あんた馬鹿ぁ? したやん、してへんで、笑ろてるやん、ほんでなぁ、昨日なぁ、高校のときのなぁメッチャ仲良かったマキと久しぶりに逢ってんやんかぁ・・・・・・。




