表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流星の声  作者: 遠藤 敦子
流星の声 Ⅱ
3/5

2

 よっちゃんと会う日がやってくる。碧人はいつも以上に気合いを入れた綺麗めな服装を選んだ。駅でよっちゃんと合流することになっており、待ち合わせ場所に向かう。よっちゃんは集合時間の10分前に着いたそうで、連絡が来た。碧人は駅に着き次第、すぐによっちゃんがいる場所に走る。

 実際に会ってみて、よっちゃんは写真より実物の方が可愛かった。話しながら歩いていたけれど、よっちゃんは鈴のような声をしている。碧人は次第によっちゃんの彼氏になりたいと思っていた。しかしそう思っていたのは碧人だけだったようだ。

 まずはパフェを食べにカフェに行く。よっちゃんはいちごがたくさん乗ったいちごパフェを、碧人はバナナにチョコレートソースがかかったチョコバナナパフェを食べる。パフェを食べながらLINEでのやりとりの延長線で会話を重ねた。その時のよっちゃんは碧人からすれば楽しそうに見えた。3時間ほど滞在した後、個別に会計してカフェから出る。


 夜ご飯は碧人が全額奢ることになっていたけれど、2人でカジュアルなイタリアンレストランに入る。カジュアルといってもファミリーレストランよりはゆっくり話せる場所で、高級店ほど格式高いお店ではない。そこではピザやパスタを食べながら話をする。

 1時間ほど経ち、よっちゃんからどんどん笑顔が消えていくのに碧人は気づく。体調が悪いのか、疲れているのか、どちらだろうかと考え、碧人はよっちゃんに

「大丈夫?」

 と訊いた。けれどよっちゃんは頷くだけだった。まさか別れ際に意外な理由を言われるなんて、碧人は考えていなかったのだ。

 お店から出て、碧人は次いつ会えるかとよっちゃんに訊いてみる。しかしよっちゃんは

「ごめんなさい。もうこれで会うの最後にしたい」

 と言った。碧人は頭が真っ白になる。LINEでは盛り上がっていたのに会ってみたら違ったってやつなのか。だから浮かない顔していたのか。舞い上がりすぎて引かれたのか。いろいろ考えてみるも、正解がわからなくなる。碧人は真っ白な頭のまま、電車で家に帰る。よっちゃんとは縁がなかったのか。碧人はそう考えながら帰宅した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ