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第20話
「一度それについては持ち帰って相続人一同と話し合いが必要になりますので、ここで即決ということにはいかないことをご理解いただきたく思います」
長男が伝えると、そうでしょうとも、と言わんばかりに大きく館長、副館長がうなづいてみせた。
「理解します。もしも必要ならば説明書と実見の報告書をお渡しできますが、いかがいたしましょうか」
「是非にお願いします」
俺が少し食い気味に答える。
二人もそこまで俺が興味があるとは知らなかったようで、驚いた表情を見せていたが学芸員は落ち着いて用意をしていた。
そして再び博物館を後にすることとした。




