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第14話
おお、という感嘆の言葉とともに、刀の箱を開けた。
きれいだ、と真っ先に誰かがつぶやいたのが聞こえる。
「これはどのような来歴で?」
案内してくれた学芸員がどうやら今回のリーダーらしい。
彼が長男へと尋ねた。
ほかのメンバーは耳こそ向けているだろうが、8割がたの集中力は刀のほうに向いている。
「はるか以前から伝わっていると聞きました。ただ詳しいのはわかりません。かなり昔のご先祖が砂賀藩にいたということぐらいです」
「なるほど、砂賀藩に」
リーダーがなるほどなるほどと繰り返しつぶやきながら、やや緩めに腕を組んだ。




