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天界の煤と「神殿大洗浄」

お読みいただきありがとうございます!

第39話は、物語の舞台がついに世界の最高峰、聖なる「天界」へと移ります。

次元の壁を越えて届いたフェイトの清掃技術は、ついに神々の住まう神殿の「ある事実」を暴き出してしまいました。

数千年という時が積み上げた、神々ですら気づかなかった「神聖なる不純物」。

権威と神話に彩られた聖域に、フェイトの最新鋭清掃ギアが容赦なく唸りを上げます。

「神の誇り」と「究極の清潔」、果たしてどちらがより尊いのか。天界をも震撼させる驚愕のクリンリネス・アクションをお楽しみください!

次元のシミを「逆流洗浄」で消し去ったフェイトの噂は、時空を超えて天界へと届いていた。

 雲の上に聳え立つ、黄金と白銀の神殿。そこには、数千年にわたり人間界の信仰心を管理してきた神々が住まう。しかし、彼らにとってフェイトの存在は、神威を脅かす不敬極まりない「掃除狂」に他ならなかった。


「下界の人間風ぜが、次元の理をモップで書き換えるとは……。しかも、我が神殿の床にまで、あやつの放った『洗剤の香気』が漂ってきておるではないか!」


 最高神ゼウスめいた威厳を放つ天界長官が、黄金の玉座を叩く。だが、その手元をよく見れば、数千年の間に積み重なった「神々の怠慢」という名の煤が、薄暗い影を落としていた。

 天界は一見美しかったが、その隅々には、人間たちの欲望や祈りから分離された「概念的な埃」が堆積し、神殿の輝きを曇らせていたのである。


 その時、神殿の正門が、何の前触れもなく「キュッ、キュッ」という、極限まで磨き上げられたゴムの音と共に開放された。


「……なるほど。外見だけは立派だが、換気が絶望的に悪いな。これでは神々の神聖クオリティが下がるのも無理はない」


 現れたのは、純白のエプロンを翻し、手には最新型の「高純度プラズマ・ダスター」を握ったフェイトだった。その左右には、天界の威圧感など微塵も感じていない様子のヴォルグと、なぜか「雲の上でも滑らない特製長靴」を履いたガウス将軍が続いている。


「貴様ッ! 何者だ! ここは神聖なる天界神殿ぞ! 許可なく立ち入るなど不敬……」


「不敬なのは、この溜まった煤の方だ」

 フェイトは長官の言葉を遮り、神殿の柱を指一本でスッと撫でた。

 その指先には、真っ黒な「神の埃」が付着している。


「……見てみろ。これが、あんたたちが数千年も放置してきた『権威の残りカス』だ。これが溜まると、神の言葉にノイズが混じり、下界に届く加護が不純になる。俺からすれば、ここは神殿じゃない。巨大な不燃ゴミの集積所だ」


「な、何だと……!?」


「ヴォルグ、ガウス。まずは、あの曇ったステンドグラスからだ。太陽の光を『殺菌レベル』で取り込むぞ。……作業開始」


「了解しました! 師匠、この『光の汚れ』、俺が責任を持って削ぎ落とします!」

 ヴォルグが跳躍した。彼は空中でモップを旋回させ、神殿の天井付近に淀んでいた重苦しい「神威の澱み」を、鮮やかな手つきで絡め取っていく。

 ガウス将軍はといえば、持参した巨大なバケツに雲の水分を凝縮させ、一瞬にして「高濃度・神聖洗浄液」を生成。それを神殿の床一面にぶち撒けた。


「ぬおおお! 磨けええ! 神の御前を、鏡に変えてくれるわ!」


 神殿は、瞬く間に阿鼻叫喚の、いや、驚天動地の「大掃除現場」へと変貌した。

 神々が放つ雷や炎の攻撃も、フェイトの手にかかれば「静電気による埃の付着」や「不適切な加熱」として処理され、イオン除菌スプレーの一噴きで無力化されてしまう。


「やめろ……。そんなに磨いたら、我々の神々しい後光が……反射して目が見えん! 眩しすぎる!」


 神殿中の煤が払われ、隠されていた真の輝きが露呈し始める。それは神々ですら見たことのない、極限の「清浄」。

 フェイトが神殿の最深部にある「運命の時計」にダスターを当てた時、天界の空気は完全に一変した。

 濁っていた空気はクリスタルのように透き通り、神々の体からは、長年の慢心が「垢」となってポロポロと剥がれ落ちていったのである。


「……ふぅ。これでようやく、神殿らしい清潔感が出たな。おい、神様」

 フェイトは、あまりの爽快感に腰を抜かして座り込んでいる天界長官を見下ろした。

「清潔は、神性に勝る。次からは、毎日ちゃんと自分たちでハタキをかけろ。……さあ帰るぞ、ヴォルグ。次は離宮の庭の草むしりが待っている」


 神々が言葉を失う中、フェイトたちは足跡一つ残さず、光り輝く神殿を去っていった。

 この日、天界には「掃除屋フェイト」の名が、崇拝の対象ではなく「逆らってはいけない恐怖の衛生管理官」として永遠に刻まれることとなった。

第39話をお読みいただきありがとうございました!

ついに「神様相手にダメ出しをして掃除を始める」という、フェイトの清掃狂ぶりが極致に達しました。最高神の長官ですら「不燃ゴミの集積所」扱いされてしまうのが、この作品の様式美ですね。

ヴォルグもガウス将軍も、天界の威圧感に怯むどころか「高い場所は掃除しがいがある」と喜んでいるあたり、師匠の教育が完璧に行き届いていることを実感します。


神々が自分たちの「慢心の垢」を落とされて呆然とする姿は、ある意味でどんな魔法よりも強力な浄化だったかもしれません。

さて、天界までピカピカにしてしまったフェイト。物語は完結に向けていよいよ大詰めです。

次は、綺麗になりすぎた世界に耐えかねた「究極の不浄」が目覚めるのか、それともフェイトが自分の意志で「理想の住まい」を完成させるのか……。

残り10話ほど、最後までお付き合いいただければ幸いです! ぜひ【☆☆☆☆☆】の評価で、神殿も驚く「高評価の輝き」をフェイトに届けてください!

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