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踏み台転生したらなんかバグってた  作者: どろにんぎょう
第二章 ダンジョン・ブレイキング
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ヒロイン


 真正面で、もちろん断らないでしょう? みたいな面をするネフィリアムに対し、俺は思わずフリーズしてしまう。

 それから、じわじわと言葉の意味と、彼女の存在を認識していき、最終的に「あ、これじゃん」という感想が脳に落ちてきた。

 いや……これじゃん。

 忘れてたの、これじゃん!!

 本当なら、一年生組はこれで三人になるんじゃん!?

 そりゃそうだよ、いつの間にかゲーム目線で物事考えていたけれど、甘楽(おれ)は主人公じゃない!

 四人で組んだらあぶれるじゃん! 俺が邪魔者過ぎる……!

 いやっ、というか、何で俺の方に来たんだ……じゃなくて、何であっちから来てるんだよ……!

 急にラッシュをしかけてきたイレギュラーに、流石に困惑してしまう。


「あら、嫌ね。そんなに間の抜けた顔をしないでくれるかしら。別に、好意があるという訳では無いのだから」

「……? えーと、じゃあ、何で?」

「当然、私が隣に並ぶのならば、貴方以外には有り得ないと、そう感じただけよ」


 ため息交じりに、そんなことを言うネフィリアムだった。

 え? 初対面とは思えないくらい、高く評価されてるんだけど……とは思ったが、魔王の件で生じた影響と考えれば、まあ分からなくもない。

 そんなに力に固執するような人間だったか? という疑問はあるが、これは単純に、俺の彼女に対する解像度が低かっただけ、とも言えるだろう。

 それに、驚きはしたが、この流れはまあまあ理想的である。

 俺と、立華くんと、葛籠織と、ネフィリアム。

 二人ずつに分かれて、他をテキトーに補充する形にすれば、まあ、丸く収まるんじゃないだろうか。

 ネフィリアムの性格は難有りではあるが、そんなことを言ってしまえば、俺の周りにいるやつ、全員難有りまくりな訳だしな。

 変人同士、仲良くやってくれれることだろう──


「あは~、()()()()()()()()()()~」


 ──とか思ったところで、嫌に粘着質な声が、耳朶に張り付いた。

 思わずゾッとしてしまい、誰の声であるのかが、一瞬分からなかった────それほどまでに、言葉にしづらい、悍ましさのようなものが、そこには込められていた。

 いつの間にか、ハッキリと目を覚ましていた葛籠織が、ドロついた眼でネフィリアムを見る。


「……誰が、身の程知らずですって?」

「はっきり言われなくちゃ~、分からない~?」


 バチッ、と火花を散らすように視線がぶつかり合った。

 それを契機に、空気が最悪になっていき、教室からすげぇ勢いで人が消えていく。

 俺も便乗したいところであるのだが、左隣にいる立華くんまで、厳しい顔でその場から動かなかったので、脱出不可であった。


「思い上がるのも~、ほどほどにしないとだよ~? ぼっちさん~」

「は、日之守くんに寄生するだけの女が、良く吼えるわね」

「寄生することしか能のない女には~、そう見えちゃうんだね~。かわいそ~」


 チッ、という舌打ちと共に、ネフィリアムが腕を組む。

 それに対して葛籠織は、いつも通りの表情で頬杖を突いた……いやっ、怖ぇーッ!

 なになになになに? 何で急に喧嘩が始まってんの!?

 君たち、初対面だよね?

 親の仇なのかな? みたいな目で睨み合うには、あまりにも因縁が無さすぎるだろ。

 頼むからやめて欲しい。

 何がキツイって、俯瞰すると俺を取り合ってる、みたいな構図になってるのが一番キツイ。

 こんな最悪な両手の花、俺いらない……。


「……良いわ、分かった。ではこうしましょう────葛籠織日鞠、私と決闘なさい。勝った方が、日之守くんとチームを組むのよ」

「あは~、わざわざ負けに来るの~?」

「あら、怖いのかしら? そうよね、だって私の方が強いんだもの」

「短絡的な煽りだ~、ふふ、でも、良いよ~。乗ってあげる~」

「度胸だけはあるようね……楽しみだわ。それでは、行きましょうか」

「おっけ~」


 言って、二人は立ち上がる。

 決闘場へと向かうのだろう────それこそ去年、俺と立華くんがそうしたように。

 その後ろ姿を見ながら、俺は言葉を零した。


「え……? 何か俺、今ナチュラルに賞品にされなかった?」

「ははっ、モテる男はつらいな?」

「いやこれモテてる言って良いのか分からな……うわっ、顔こわっ!」


 何で立華くんまでそんな顔してんの!?

 まるで俺が一番悪いみたいな感じになるから、本気でやめて欲しい……。

 ちょっと泣きそうになりながら、今ばっかりは全肯定アテナ先生に傍にいて欲しい、と思うのだった。

 






ご神託チャット▼

☆転生主人公  は? なにあの女?

◇名無しの神様 うわっ、ビックリした!

◇名無しの神様 いきなり濃度の高い殺意滲み出すのやめろ

◇名無しの神様 転生して以来初めて見る顔でワロタ

◇名無しの神様 急に日之守争奪戦始まるのダメすぎるだろ

◇名無しの神様 【悲報】うちのボケナス、争奪戦に乗り遅れる

☆転生主人公  敢えて話に入らないことで、一緒に見る機会を手に入れたって言ったら、どうする?

◇名無しの神様 急に知恵がチンパンジーから人間に進化するのやめろ

◇名無しの神様 何でその知能をRTAに生かせねぇんだお前は

◇名無しの神様 いやでも日之守攻略としては正しい、のか……?

◇名無しの神様 面白い通り越して怖いんだよちょっと

◇名無しの神様 あのバグ太郎また女引っかけてる……

◇名無しの神様 何なんすかね……ヒロインを誘うフェロモンでも出てんのか?

◇名無しの神様 有りそうで嫌だなそれ……

◇名無しの神様 二年生編、冒頭から滅茶苦茶になってて何かホッとしちゃった

◇名無しの神様 わ、わかる……

◇名無しの神様 順調だな~怖いな~って思ってたから助かる

◇イカした神様 ま、このくらいはね、許容範囲内のイレギュラーっすよ

◇名無しの神様 声ガッタガタに震えてそう

◇名無しの神様 日鞠たんの目、かなりガチだったからな……

◇名無しの神様 つっても、アイラも相当強いだろ

◇名無しの神様 一応原作通りなら、二年生編開始直後は学年最強格だな

◇名無しの神様 すげぇ戦いになりそうだぜ

◇名無しの神様 死人が出ないことを祈るばかりだな

【開幕!】蒼天に咲く徒花 バグキャラ日之守甘楽 攻略RTA【日之守争奪戦!】

 



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