レッサーレッドドラゴンベビー
「鶏冠いくつ集まった?」
「8つ」
「2つー」
「3つね」
「俺は1つだ。ケイが断トツだな」
アイテムのドロップは、ファーストアタック、ラストアタック、与ダメージ量、貢献度等の要素により、個人個人に確率で発生する。そのため、1匹の岩石鳥から2つ、あるいは3つの鶏冠がドロップするといったこともよくある。
「依頼は10個だったっけ?」
「もう必要数集まったのか。早いな」
「おつかれさまでしたー」
「おい、最初の目的を忘れるなよ」
苦笑するダングルスに冗談だよー、と軽口でサリミラが答える。
あくまでも岩石鳥の鶏冠集めは火山に来るついでに受けたクエストであり、彼らの目的はドラゴンの素材だ。
「重ねて言うが今回の目標はレッサーレッドドラゴンの幼体、通称レッサーレッドドラゴンベビーの討伐、むしろ乱獲だ!」
「通称がなげぇよ。というか乱獲するつもりなのか」
「略してレレドベね」
「レレドベは言いにくいよーw」
素材集めのためにダングルスはドラゴンを乱獲するつもりのようだ。推奨レベルにも達していないんだぞ、と指摘しようとしたケイディアの思考は足に伝わる小さな振動に邪魔をされた。
「……揺れてないか?」
「地震?」
「地震というか、これは……」
「何か近づいてきてるっぽいねー?」
小さな揺れは少しずつ大きくなってくる。だが、比較的見晴らしがいい地点にいるにもかかわらず、その地響きの主は視界には入らない。
「透明なモンスターとか?」
「いや、これは……地中だな」
そう言ったダングルスの声に答えるようにボコリと正面の土が盛り上がる。
「クキャアアアア!」
「お、出たな」
甲高い鳴き声とともに地中から現れたのはくすんだ赤茶色をしたドラゴンだ。そのレッサーレッドドラゴンベビーがズルズルと地中から這い出てくる。体長は2メートル程で、翼が生えていないためその姿は蜥蜴や恐竜に近い。
「え?レッドドラゴンのくせに地竜なの?」
「火竜ではあるんだけど、レッサーレッドドラゴンは飛べないらしい。土の中にいるとは思わなかったが」
「あんまり可愛くないねー」
「そうだな。可愛くても戦い難いと思うけど」
早速素材を取るために倒してしまおう、そう思ったケイディアだったが、ふと、違和感を感じた。それを感じたのは彼だけではない。
「……ドラゴン出たのに地震が続いてるんだが?」
ボソリと呟いたダングルス。そして、彼らから見て右側の地面がボコリと盛り上がった。
「クキャアアアアアア!」
「2匹目来ちゃった!?」
「レベル足りないんですが……」
「鳥肉に釣られてきたんじゃないのー?」
「乱獲するんだから丁度いいだろ!行くぞ!」
ダングルスの気合いを入れる掛け声とともにレッサーレッドドラゴンベビー、略してレレドベとの戦いが幕を開けた。
今年中にあげるという目標が達成できました!(ギリギリ)
よいお年をー!




