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American Dianthus  作者: nacchan725
気になる人は魅力の権化
9/70

新たな家族

そう言った後、クロエは倒れ込んだ。

「おい!!」

ダイアンは叫んでクロエを抱き起こして脈をとった。気絶しているようで、脈は弱々しく打っていた。

「無理もないな。・・ありがとう、責めずにいてくれて。」

ダイアンは先にクロエをお姫さま抱っこすると、車の助手席に運んだ。続けてナックを担いで後部座席に乗せると、車を運転して公園を後にした。

クロエとナックの意識が戻ったのは、3時間後だった。目を開けたクロエの目にうっすら見えたのは、心配そうにこっちを見ているダイアンの姿だった。クロエはダイアンを見つめながらゆっくりと口を動かした。

「ダイアン、私・・・」

気づいたダイアンは満面の笑みで答えた。

「起きたのか、クロエ!!母さん、クロエが目を覚ましたぞ!」

聞きつけたアイリスもはちきれんばかりの笑顔を浮かべた。

「クロエ!!良かったわ、早めに回復して!」

クロエは曖昧になった記憶をたどってアイリスに質問した。

「パパとママは?ナックはどうなったんですか?」

アイリスはしばらく表情を固くして沈黙した後、重々しく口を開いた。

「・・・ご両親はあの後、埋葬したわ。お墓の下にいるわよ。ナックは数分前に目が覚めたばっかりね。」

「そうなんですか・・・・ありがとうございます。ナックにもお礼を言わないと。」

「彼は今リビングにいるわ。呼んでくるわね。」

クロエは手を横に振った。

「直接会いに行きますから大丈夫です。」

「そう・・リビングに掃討班を全員集合させましょう。先に行ってスープを作って待ってるわ。ダイアン、手を貸してあげて。」

「了解。クロエ、無理するなよ。」

クロエがダイアンに支えられながらリビングに行くと、既に全員集合しており、2人分の席が空いていた。2つのうちの1つの椅子のテーブルの上には、アイリスがスープの入った皿を置いた。クロエはスープのある席に座り、ダイアンは隣の席に座った。クロエの右隣にはナックが座っていた。クロエは狂喜して礼を言った。

「ナック!!さっきはありがとう。」

ナックは脇腹を押さえながら静かに微笑みかけた。

「これが仕事さ。スープが冷めないうちに飲んだ方がいい。アイリスさんが作ったやつは絶品だからね。」

一口すすってみると、ダシと塩加減の丁度いい味が、口に染み込んできた。

「美味しい・・・」

アイリスは胸を撫で下ろした。

「良かった。急いで作ったものだから、失敗したかと思ったの。」

「全然美味しいですよ!!本当に、何から何までありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いします!」

「そう畏まらないで、家族みたいに接してちょうだい。みんなもあなたを迎えることに、賛成しているわよ。」

全員から歓迎の拍手が湧いた。アイリスはしばらく拍手と温かい笑顔を送っていたが、やがて目元を引き締めて今いるメンバーの誰よりも凛々しい顔つきになった。

「改めて、ようこそ、JRS本部へ。あなたの身の回りで起きた事件の概要を説明するわ。」

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