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American Dianthus  作者: nacchan725
気になる人は魅力の権化
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形勢逆転

ダイアンとクロエはナックとカーティスの方へ無我夢中で走った。ナックを見つけたダイアンは手を振って交代を申し出た。

「遅くなったな、ナック!交代しよう。」

「良いタイミングだ。さっさとコイツを片付けて帰ろう。」

クロエが恐る恐る2人の話に割って入った。

「でも、そんなことしたらイーデンさんが怒るわよ。どう説得するの?」

ダイアンとナックは少しの間を置いて口を開いた。

「イーデンはもう、この世にはいないんだ。」

「俺達の目の前でカーティスに丸飲みにされたよ。もうちょっと早く頭を動かしてれば、助けられたかもな。」

2人の言葉を聞いたクロエは涙目になって嘆いた。

「イーデン・・可哀想に。カーティスもあんまりだわ。あなたが食べたのは、兄弟同然の人間なのよ!」

ダイアンがピシャリと言った。

「イーデンは家族同然に思っていても、向こうはそう思ってなかっただけの話だ。今はコイツの息の根を止めることだけを考えろ。戦場じゃ、迷ったヤツから死んでくぞ。」

ダイアンは十字架型のネックレスを外すと、真ん中のルビーを押した。すると、ルビーから液体がネックレス全体に行き渡り、ネックレスは剣へと姿を変えた。

「ここからは俺がやる。ナック、クロエを頼んだ。」

「狙うなら胴体だ。デザートイーグルが4発ほど命中したから、動きが弱まってる。」

ダイアンはうなずくと、カーティスに目掛けてウォッチハンターからワイヤーを射出してカーティスの頭上に迫った。好き放題に動き回っていたカーティスはダイアンの存在に気づくと、地面を蹴り、口をめいっぱい開けてダイアンに飛びかかった。

「わかってるんだよ、お前の行動は。」

ダイアンはカーティスの注意をギリギリまで引きつけると、ウォッチハンターのワイヤーを地面に狙って刺し、最大速のスピードで巻き取った。これにはカーティスも反応できず、めいっぱい開いた口は空気を力一杯噛みしめただけになった。

ダイアンは着地に成功すると、カーティスに挑発をかけた。

「文字通り、一杯食わされた気分はどうだ?俺は死ねと言われて死ぬヤツじゃない。俺を食いたけりゃ、お前も殺される覚悟を決めろ。まあ、言ったところでわかんねえか。」

するとカーティスは理解しているかのようにうなり声をあげた。

「なんだ、わかってるのか?じゃあ逃げた方がいいぜ。ここから俺はどの攻撃にも全力で殺す気で行くからな!」

ダイアンはグロックを取り出すと、柔らかい地面を狙って連射した。土が噴水のようにあちこちで舞い上がり、カーティスに降りかかった。カーティスはダイアンを探したが、姿が見えなくなっていた。

カーティスはダイアンの姿を捉えようと、目玉をせわしなく動かした。すると、頭上から怒号が響いてきた。

「ここだ、バカワニ!」

ダイアンはカーティスの頭上から姿を現わすと、背中に重い蹴りを入れた。怒ったカーティスは尻尾を鞭のようにしならせてダイアンを薙ぎ払おうとしたが、ダイアンはすぐに気づき、ワイヤーを地面に刺して素早く巻き取って回避した。

カーティスは後ろ足を使って素早く立ち上がるとダイアンを押し潰すために、もたれ掛かろうとした。

「俺は甘くねえ。そんなに甘えたいんなら、自分の飼い主を生き返らせてみろ!」

ダイアンは右脚を軸にして腰を絞り込むと、回し蹴りをカーティスの腹部に決めた。カーティスは少しうめき声をあげると、背中から地面に突っ伏した。

「効いたか。そりゃ、ベストの状態で蹴れたからな。」

ダイアンはグロックを取り出すと、カーティスに銃口を向けた。

「やっと大人しくなったな。弾はこれで最後なんだ、外す気はないぜ。」

ダイアンが引き金にかけた指に力を入れようとした途端、クロエが叫んだ。

「やめてダイアン!殺さないで!」

ダイアンは驚いて振り返った。

「贅沢を言うな。これで犠牲者が減るんだから。そうだナック、こっちに来てくれ。コイツの検死と-」

そこまで言った途端、鈍い音が響いた。ナックとクロエは音のした方を見ると、ダイアンのみぞおちにカーティスの尻尾が食い込んでいるのを見た。ダイアンは顔を歪めて鈍い声で悲鳴をあげた。

「・・ガハッ・・・」

ナックとクロエは絶叫した。

「ダイアン!!」

「・・クロエを、頼んだ・・・・」

言い終わった直後、ダイアンは糸の切れた操り人形のように倒れた。クロエは倒れたダイアンを見て自責の念に駆られた。

「そんな、ダイアン!私のせいよ、あの時殺すなって言わなければ!」

ナックはうなずきながらも改めてカーティスを警戒した。

「今さら言っても無駄だ!でもおかげで検死の手間が省けたよ。コイツは完全に息の根を止める必要がある!」

クロエは涙目になってナックを見つめた。

「でも、私達だけでやれるの?ダイアンをあっさり倒したヤツなのに。」

「アイツはこんなんで死ぬヤツじゃない。絶対に起き上がる。それまでに俺達でコイツを倒そう。ダイアンが起きた時、驚くだろうな。」

ナックはデザートイーグルの状態を確認すると、カーティスに銃口を向けた。

「しばらくは俺の独壇場だな。クロエに傷はつけさせねえし、やすやす死ぬ気もない。」

ナックはカーティスの腹を狙うと、引き金を迷いなく引いた。


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