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American Dianthus  作者: nacchan725
気になる人は魅力の権化
35/70

倒すべき敵

部屋に戻ろうとしたダイアンは用事を思い出し、研究室に向かった。入るとルドルフがダイアンに歩み寄ってダイアンを心配した。

「ダイアン、まだ起きてたのか?アイリスさんのこと・・・悔しいだろうな。」

対称にダイアンは爽やかに言い放った。

「もう立ち直ったよ。いつまでもクヨクヨしてたら、母さんにどやされるだろうな。それに・・復讐はもう済ませたんだ。」

ニュアンスでダイアンのしたことを察したルドルフは思わず声を張り上げた。

「まさかお前、もうクリスを殺したのか?!今まで姿が見えなかったのはそのせいってことか!」

ダイアンはルドルフの言葉を無視して新しい武器の開発に礼を言った。

「お前の作ってくれた新しい武器が非常に役に立ったよ。礼を言う。」

「ああ、あのワイヤーが出る球か。・・・クリスには申し訳ないが、効果はどうだった?」

「見た目から威力まで完璧だよ。見た目がゴツくねえからあいつは警戒しなかったな。むしろ、欠陥品だってバカにしてた。至近距離で放ったこともあると思うが、効果は絶大だ。ワイヤーに串刺しにされて、クリスは身体を再生できてなかったぜ。」

「そうか・・・その結果なら、実用化も夢じゃないな。量産を考えとくよ。他に要件は?」

「クリスは遺言で最近のリップオフの襲撃に、俺の組織は関わってないとのこと。」

ルドルフは再び大声で驚いた。

「俺の組織?!クリスは何者なんだ?」

「ブラックリストのメンバーだ。もっと聞こうとしたらはぐらかされた。知りたきゃ自分で調べろだってよ。その代わり、最近行動が活発な組織をマークしろと言われた。やるのは明日でいい。よろしく頼む。」

「わかった。なるべく早く見つけだすよ。」

ダイアンはルドルフに優しくほほえみかけて手を振った。

「おやすみ。明日に備えようぜ。」

ルドルフも軽く手を振った。

「おやすみ。貴重な情報をありがとう。」

ダイアンは部屋に戻り、ベッドに寝転がると、そのまま目を閉じて、眠りの世界に誘われた。 ダイアンが目覚めて時計を見た時、すでに8時を回っていた。ダイアンは慌てて着替えると、朝食を摂るためにリビングに向かった。席に座ると、隣にいたナックが声をかけた。

「おはよう、よく眠れたか?」

「おかげさまで。寝つきが良すぎて寝坊したかと思ったよ。」

クロエが話しかけた。

「全然平気よ。ルドルフとマリーがさっき来たばっかだし。」

「本当か?」

ダイアンはルドルフを見つけると、立ち上がって小走りで近づき、身をかがめて話しかけた。

「あの後寝なかったのか?」

「徹夜して調べたよ。これで後で全員に指示できるだろ?」

「ありがとな。早く寝た方がいい。」

「言われなくても、この後たっぷり寝るさ。そう、組織のことなんだが・・・」

ルドルフはダイアンに耳打ちすると、朝食を食べ始めた。

ダイアンも急いで朝食を食べ終えると、立ち上がって指示を出した。

「これからの行動を説明する。俺達が狙う敵はただ1つの組織だ。」

ナックが質問した。

「誰を相手するんだ?」

「チェンジアメリカだ。」

クロエは思わず声に出してしまった。

「チェンジアメリカ?」

ナックが説明した。

「最近活発になってきてる組織の名前さ。」

「そんなのどうやってわかるの?」

今度はダイアンが説明した。

「普通は裏社会にスパイを送ったり、ハッキングしたりするな。たまに戦闘の時にリップオフや、リップオフに協力的な敵を捕らえて吐かせたりするかな。」

「わかったけど、話の最後の方・・・拷問はよくないわ。そんなことしたら、話すことも話さなくなるんじゃない?」

「なにも最初からじゃない。言うことを聞かなかった時さ。」

ダイアンの残虐性を秘めた黒い笑顔に、クロエは凍りついた。ダイアンはクロエを一瞥すると咳払いをして話の流れを戻した。

「話を戻すぞ。今日からチェンジアメリカの行動を監視する。リップオフの襲撃にいつでも対応できるようにしておけ。」

ダイアンの話を聞いた全員が声を揃えた。

「了解!」

ダイアンは食事に使ったトレーを片すと、リビングを去った。クロエはダイアンが見せた黒い笑顔に、まだ怯えていた。今まで決して見たことのないダイアンの姿にクロエはたまらずナックに声をかけた。

「ねぇナック、ダイアンってあんなに怖かったっけ?」

「敵の話をするといつもああなるんだ。敵とわかれば、あいつは全力で滅ぼしにいくからな。でも、クロエの言うとおり、なんかダイアンの言い方に違和感はある。」

首をかしげながら、ナックはリビングを後にした。クロエも部屋に戻って準備をしたが、頭の中はダイアンの言動がぐるぐる回っていた。

今まで優しかったダイアンの雰囲気が徐々に変わりつつある。そんなのは見たくない。どうすればいいのだろう?クロエの葛藤はドア越しのダイアンの声で中断された。

「クロエ、用意はいいか?もうあんた以外全員揃ってるぞ。」

「ウソ!?ごめんなさい、すぐ行くわー!」

クロエは慌てて必要なものをリュックに詰め込むと、部屋を飛び出した。しかし、ドアに蹴つまづいて転びそうになった。

「うわっ!」

悲鳴に気づいたダイアンが慌ててクロエを支えた。

「オイオイ、そそっかしいな。そんなに急がなくても平気だよ。」

「そう、ありがとう・・・」

クロエはダイアンと目を合わせるのが急に恥ずかしくなり、適当な返事をして目を反らした。クロエの素っ気ない態度に、ダイアンは一瞬反応に困ったが、本来の目的を思い出して告げた。

「リップオフの襲撃を確認した。俺達の目標は掃討および幹部との接触だ。」



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