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プロローグ
何回目だったっけ
もう、疲れたんだ
いつの間にか移り変わる世界で、積み重ねてきたものも何もかもが無くなるなんて、気まぐれに移ろってしまうなんて
そんなの、生きるだけ無駄じゃないか
考えるだけ、無駄じゃないか
「もう、疲れたんだ」
14階建てのビルの15階
「もう、終わりにしてほしいんだ」
「これは、きっと悪夢なんだ」
そう信じたい、理解されない苦しみを、感じ続けたくない
何事にも終わりはある筈だから
踏み出したその先には何もなく、俺の体は宙に投げ出され
目が覚めた
「…新しい朝は来なくてよかったのに」