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第01幕 Life in Ash
「秋介っ!!」
轟々と燃え盛る炎の向こうから、自らの名を叫ぶ声がする。
「聞こえているのかっ、秋介っ!!」
野に数多と突き刺さり、柵と化している剣槍の向こうから、自らの名を呼ぶ声がする。
「応えてくれ!! 秋介っ、秋介ぇ!!」
それが自らの安否を案じてくれているものなのか分からないが、きっと、案じてくれているのだろう。
心の底から。
だから、だからこそ、今や焔の前で戦わねばならぬ。
後ろに守るべき人がいるのなら、そのために刃を鳴らそう。
(生還してえもんだが……)
無理だろうなぁ、と腰に帯びる鞘から剣を走らせる。
抜剣し、それを正眼に構え、その名を唄う。
「――〝王謳いし終焉の榮光〟」
終焉を照らす栄光のひと振り。
太古の伝承に語られる装具の情報を引っ張り出し、その根底を塗り替え、組み換え、この形とした。
渦巻き、螺旋を描きながら光は剣身へ宿る。
空に泳ぐ無数に等しい竜や悪魔達。
地を成し征くは醜悪な獣人や亡霊達。
「烏水秋介、推して参る」
千対一。
いいや、増えるだろう。
万と。
猶、剣を振るう事を彼は止めない。
その後、多くの文献に彼は名を残す事となる。
――〝万魔殺し〟と。




