健康的に幸せにね!【イラストあり】
平和(当社比)なオルクスとライラの日常風景のイラストがあります。
いやね、血の誓いっていうぐらいだから、血を使うっていうのは想定内だったよ?
でもさぁ……。
「血の塊を食べるとはおもわなかったよ!?」
オルクスによってまとめられた血の塊を投げられて、私の目の前にはヴァンスの血の塊が浮かんでいる。
いやぁ、これを作る為にヴァンスの指を吹っ飛ばしたのには驚いたけどね?
私の血を採取するのは無傷で行えたんだから、ヴァンスにもそれが出来たんじゃないかなとは思うわけなんだけど?
その傷を秒で再生したヴァンスもどうかと思うけど!
あれはどういう事なの?
ニュルって再生したよ!? どういう仕組みなの!?
おかしいでしょう、物理的に!
吸血鬼族ってなんか超再生能力でももってるの?
いや、そう言われても不思議じゃないけど、それって血とか足りなくならない?
またこの間の夜みたいに月光浴しないといけなくない?
あ、でも今から私の血を食べるから大丈夫なのかな?
「それを摂取すれば血の誓いは完了する。だがヴァンスは今後について覚悟の上だな?」
「もちろんです陛下。姫様の血を頂けるのならこれ以上の褒美はございません」
ヴァンスがそう言った瞬間、ヴァンスの周囲に氷の刃が浮かび上がって狙いを付ける。
「パパ!」
「……はあ」
私の声にヴァンスの周囲の氷の刃が消えた。
「ライラ」
「はーい」
私は呼ばれるままにオルクスの膝の上に乗ると、目の前に浮かんでいる血の塊をつつく。
これ、お肉みたいにモグモグするの? それともすするの?
いや、レバーに近いからやっぱりモグモグ?
そっと手に取ってじっと見つめている間、ヴァンスは私の血の塊を掴むとそのまま一飲みにした。
さ、流石は吸血鬼族、血を食べるのに抵抗が無いのね。
私は……うぅ……。
「女は度胸! あーんっ!」
思いっきり口を開けて血の塊を飲み込む。
ゴキュンと音を立てて体の中に入り込んでいくヴァンスの血は何ていうか、思っていたのとは違って無味無臭。
これならこんなに覚悟しなくても良かったかも。
「血って意外と何ともないんだね」
「それは血というよりは魔力の塊のような物だからな。とはいっても、吸血鬼族であるヴァンスにとっては極上品、そして今後二つとないものになる」
「どういうこと?」
「今後、ヴァンスはライラ以外の血を飲めなくなったということだ」
「は? どういうこと!?」
「吸血鬼族が眷属側になる血の誓いとはそういうものだからな」
「聞いてないよ!?」
「そうか」
そうか、じゃないでしょ!
私がヴァンスに血をあげられない状況で何かあったらどうするの!?
うわぁ、今後は出来る限りそんなことにならないようにしないとだめじゃない?
ヴァンスが死んじゃうかもしれないってのは、私が死なない限りないとはいえ、仮死状態になるかもしれない。
うーん、私の傍に居ればそうそう危険なことは無い……よね?
ある意味オルクスが一番危ないかもしれないけど、虐めないでって言ったから多分大丈夫でしょう。
そうなると、一番危ないのって何だろう?
やっぱり血の補給を出来なくなるって事かな?
「今後ヴァンスは私の傍からなるべく離れないようにしないと駄目だね」
「なぜそうなる」
「だって、血がいつ必要になるかわからないじゃない」
吸血鬼族の食事ってそのまま血なんだもん。
食事を抜かれるって辛いもんね。
……あれ? ヴァンスが私の専属従者になってから血を飲んだのを見たことは無いような?
「姫様、わたしの魔力回復は月光浴でも可能ですし、消費効率はいい方なのでさして血を摂取しなくていいんです」
「でも何があるかわからないでしょ? この間もパパにいじめられていたみたいだし」
「問題はありません。あの程度の事はまだなんとかなりますので」
ヴァンスの言葉に専属使用人と専属護衛騎士が遠い目をした。
そうなのかぁ、虐められてはいたけど大したことは無かったのか。
でも、そういうのってエスカレートしちゃったりするからやっぱり止めておいてよかったよね。
オルクスって容赦ないし、何をするかはわからないもんね。
ネルガルにどんなことをしていたのか聞いても、ただの訓練だっていうだけで教えてくれないんだもん。
私の専属護衛騎士なのに秘密を抱えるなんてひどいよね。
でもネルガルの場合は護衛の優先順位こそ私を優先するけど、命令系統的にはオルクス優先だもんね。
逆に私に忠誠を誓ってるナムタルたちの方が珍しいんだよ。
でも、吸血鬼族がたった一人からしか血を飲めなくなるなんて、ヴァンスは知ってたんだよね?
その上で私と血の誓いをしたいって言ったのか。
わ、私って思った以上に愛されてる!?
そう考えると顔が赤くなってしまう。
「ライラ、そろそろお茶の時間だ」
「へ? あ、うん?」
お茶の時間とか今更改めて言うものじゃなかったような気がするけど、どうしたの、急に。
オルクスはそう言うと立ち上がって私を抱えると、そのまま凍り付いた部屋から出て行った。
うーん、確かにあの部屋でお茶っていう雰囲気じゃないけど、かといってわざわざ部屋を移動しなくてもよくない?
いや、移動しないとあの部屋の片づけが出来ないのか。
そのままオルクスと一緒に別室に行くと、ソファーに座ったオルクスの膝の上に座らされる。
すぐさまケーキとお茶が準備され、ケーキのお皿を手に取るとフォークを手に取ったオルクスが一口大に切り分けて私の口に運ぶ。
あ~、生クリームとスポンジおいしい。
この黄金比率を考えた人はマジで偉大、天才、神!
前世では食事制限があってショートケーキって食べたことが無かったんだよね。
生クリームって年に一回だけ一搾りだけのった抹茶プリン食べたぐらいだもん。
それも植物性とかいうやつね。
こっちに来てから動物性の生クリームを食べることが出来たの!
ああ、健康な体って素敵。
「はぁ、美味しいものがいっぱい食べることが出来て、だ~いすきな人たちとずっと一緒に過ごせるって幸せだね」
「……ライラには私が居れば十分だと思うんだがな」
「そんな事を言ったら私がファザコンになっちゃうじゃない」
まったく、オルクスったら親バカが過ぎるんだから。
そう思って呆れたようにため息を吐き出したら、部屋の中に付いて来た全員が(オルクス含む)驚愕の眼差しを私に向けて来た。
え? 何?
「姫様はファザコンですよ」
「ナムタル!?」
「ファザコンですね」
「ネルガル!?」
「「ファザコンです」」
「ノーマ! イオリ! ……ヴァ、ヴァンス?」
「姫様……」
「うん、私はファザコンじゃ」
「自覚がないだけで姫様はずっとファザコンですよ」
「皆してひどくない!?」
「ライラ、私が言うのもなんだが、お前のような者の事をファザコンというのだとネルガルが言っていた」
「ネールーガールー!」
お前本当にっ本当にオルクスに変な事ばっか吹き込みよって!
「パパ! ファザコンっていうのは違うのよ! 大きくなったらパパのお嫁さんになるとか言うのをファザコンっていうの! 私はヴァンスのお嫁さんになるからファザコンじゃないの!」
そう叫んだ瞬間、敷地内に特大の雷が落下した。
…………はっ!
「ちがっ……違くないけど違うの! ヴァンスとはそのうち結婚できたらいいとは思うけど、そのっ今すぐにとかじゃないのよ? だからね、あのね……ちょぉっ! まって! ヴァンスに攻撃しようとしないでっ!」
オルクスが無表情で当たり前のようにヴァンスに指を向けたので必死に止める。
「もうっ! ヴァンスを虐めちゃ駄目って言ったでしょ! 大丈夫だよ、私は何があってもパパの娘なのは変わらないんだからね!」
この言葉でやっとオルクスがため息を吐き出して手を下ろして新しいフォークを手に取り、ケーキを一口大に切って私の口元に運んだ。
それに迷いなく食いつくと、紅茶のカップを手に取って一口飲む。
はぁ、部屋が壊れなくてよかった。
庭のどこかは多分大変なことになってる気がするけど、それはまあ……うん、なんとかなる。
今後もこの平和が続きますように。
=END=
打ち切りっぽい終わり方だなぁと私も思います!
だって、シオン以上のヒドイン書けない!
無理無理!
でも、だからといってね、事件も起きないダラダラ展開続いてもアレじゃないですか!
だ、だから……私はわるくねぇ!(どう考えても悪い)
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こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。




