4、さらなる質問
こんにちは、こんばんは、おはようございます。
よろしくお願いします。
「じゃあ私から聞きたいことがあるのですが」
と、まずネルさんからの質問。
「あの、トム様は貴族でしたか?」
はい?
「いやいやそんなことは。普通の学生でしたよ。」
ネルさん滅茶苦茶驚いてますけど......
「何かありました?」
「あ、すいません。本当に貴族じゃないんですよね?」
「そうですけど。」
「え、じゃあその、さっきお話してくださった最後の記憶にでてくる本、あれはどこで手にいれたのですか?」
「あぁ、図書館から借りてきた本を読んでいたかな。」
「図書館から、借りてきた?本を、借りれる?」
「うん、ただで。」
「タダ!」
あ、この反応、多分この世界は本が貴重なんだな。
ということは、活版印刷技術がまだないのか?
「確かに図書館はありますけど、本はとても貴重なので読むことも一部の人にしかできないんです。ましてや貸すなんて...。」
「そうなんですね、ちなみに本はどのようなものが多いんですか?」
「えーっと、基本的には魔術の本か歴史の本ですよ。たまに何が書いてあるのかわからないものもありますけどね。」
ふーん、気になるけど、本から情報を知ることは難しいかもな。かなりショックだ。
「あと、もうひとつ聞きたいことがあるのですが」
「はい。」
「その服はあなたのいたところでは一般的なんですか?」
聞かれて自分の服をみた。そういわれてみれば、今僕が着ているのはジャージだ。確かに知らない人が見ると光沢感がある結構高そうな服にもみえるかも。
「あ、はい。誰でも多分持ってるんじゃないですかね。寝るときに着てる人が多いですよ。」
「この生地はよくあるものなんですか?」
「まぁそうですね、化学繊維ですから。」
「カガク、センイ?」
「あ、これは石油から作られるんですけどね、そこから必要な物質を取り出して...」
あ、ネルさんついてきてない。
「要するに、簡単に作れるんです。」
「そ、そうなんですね...」
やっぱりこの世界は地球より遅れてる、いや、魔法によって発展しているから地球とは全く違う発展のしかたをしていると思ったほうがいいかもしれないな。現にここにとんでもなく明るいシャンデリア的なものがあるから。
そこからもネルさんと話をした。特に交通機関の話(新幹線とか飛行機とか)をしたら失神してたから、僕が異世界から来たってことは感づいてくれたんじゃないかな?
そして、
「わかりました、わざわざ答えていただき、ありがとうございます。」
「えっと、僕は今からどうすれば」
「ひとまずこちらの部屋でお待ちください。私は今のお話を報告しなければならないので。」
そう言って彼女はパタパタと出ていった。
にしてもすごいな、ネルさん。色んな所に目がいくというのか、色んな情報を自分から巻き上げられたな。
これは気を付けたほうがいいかも。地球の知識はここではとんでもない問題を引き起こすかもしれないから。
今回もありがとうございます。
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